アートで楽しむ!マジック:ザ・ギャザリング 「ニューカペナの街角」 ボックストッパー編
※本記事の動画、画像はすべてウィザーズ・オブ・ザ・コースト社ウェブサイトより引用しております
2022年4月29日に発売されたMagic:The Gatheringの新セット、「ニューカペナの街角」。今回の舞台は1920年代のアメリカ・ニューヨークをモチーフにした次元、ニューカペナ。今回のセットではボックス購入特典として配られるボックストッパー(コレクション性の高い特別なカード)が、発売される言語の数だけ絵違いとして存在し、なおかつそれは各言語でオリジナルということで、密かにコレクター魂を煽っています。
かんたんに言うと、日本語版のボックストッパーには日本語版専用のものが、英語版のボックストッパーには英語版専用のものが入っている、ということです。しかもこれがまたほんとにコレクター魂をくすぐるものなんですよ……
今回はニューカペナの摩天楼アートをご紹介するつもりでいましたけれども、先にこの各国語版のボックストッパーをご紹介しますね〜
これが通常版。カードのバックグラウンドとしては、ニューカペナを牛耳る五つのファミリーのひとつ、ザ・カバレッティ・ファミリー、舞台座一家の主催するパーティに到着したシーン、というところですね。武装したドアマンたちが油断なく目を光らせながら招き入れてくれる様子が反社会的勢力のクラブへこれから入場するのだという雰囲気を出しています。
こちらが英語版のボックストッパー。一昔前の、ハリウッド・スターが授賞式に出席するためにリムジンから降りてきたところを、カメラマンたちが昔風のでかいフラッシュを焚いて激写する、というイメージですね。あんまり反社的イメージはありません。
ロシア語版ボックストッパー。ロシアならバレエだろ、と言わんばかりのモチーフ。今まで考えたことはなかったものの、スラリとしたエルフとバレエってきっと似合うと思うんですよね。こんなダンサーさんたちに出迎えられたら気分はセレブリティです。背景のクレムリン宮殿ぽいのもダメ押しポイント。
スペイン語版。もはや暗黒街のイメージはひとかけらもありません。陽気なエルフたちが太陽の恵みを受けた色とりどりの果物を売り、その真ん中で太陽そのもののように輝くのは言わずとしれた「パエリア」。トールキン先生の影響でエルフって白い肌とか銀髪とかのイメージがあったのを見事にひっくり返しています。
スペイン語版よりもひっくり返っている、ブラジルポルトガル語版。紙吹雪の舞う中、露出の多い衣装で色黒エルフが踊っているのはほぼ100%サンバでしょう!ダンサーも奏者もノリノリで、サンバホイッスルが聞こえてきそう。カルナバル!
打って変わって途端におしゃれなのはフランス語版。アール・デコの本家本元だけあって、絵画よりもデザインに寄せたイラストレーションです。植物文様と幾何学的図形を組み合わせたデザインはまさに王道。平面的な人物や服飾もレトロな感じがしますね。
ドイツ語版のボックストッパーは、白&黒のモダンガールな衣装を着たエルフのシンガーがパフォーマンスをしている場面。出迎え即エンターテインメントみたいな感じで良し!個人的にはスタンドマイクの形がいい味を出していると思います!
イタリア語版。もろに祝祭ですね。反社会的勢力はどこへ……?当然のごとくハーフマスク、コメディア・デラルテぽい服装と元絵に寄せる気ゼロ。申し訳程度の緑色の衣装とわずかにとがった耳でエルフを表現しています。てゆーかこれくらいの耳の人なら人間にもいそうな気が……?
もはやマフィアのクラブという設定をかなぐり捨てた日本語版。とりあえず和服の三つ編みエルフかわいい。めっちゃかわいい。おだんごの持ち方は気になるけど。そして売り子の男の子エルフもかわいい。詰襟の学生服モチーフかしら?頭は学帽みたいなのをかぶってるし。『ようこそお越しいただきました!おだんごをどうぞ!』みたいな、ウェルカムドリンクならぬウェルカムおだんご?
二人の美少女エルフがブランコに乗って来賓を見下ろしている図。構図から言って天井に近いところにいると思うんですよね。マフィアってゆーか退廃的なお金持ちの道楽でこういう子たちを囲っている的な感じ?アジアンエルフかわいいぞ!
簡体字中国語版は主に中国で販売されています。ボックストッパーもチャイナ服アレンジでかわいい。かわいいけど何をしているところなのかいまいち謎。振り回した棒を『うおっ危ねっ!』とかわしたところでしょうか。緑の上着の子が持っている棒の先に提灯?みたいなものがついていて、緑色の小さな板?筒?みたいのが連なってるけど、なんやろね?
繁体字中国語版は主に台湾で販売されています。
台湾エルフめっっっちゃかわいいな!
ノースリーブとも違うびみょーーな長さの肩袖は脇チラも完備!ショートボブを翡翠色ベースの花柄ヘアバンドでまとめながらも、乱れてほつれた髪が踊りの躍動感を表しています!クジャクの羽をあしらった扇は、舞えばゴージャス、顔を隠せばミステリアス!欲しいですね!一枚でいいからこのボックストッパー欲しい!
いかがだったでしょうか?イラストレーターの名前を見る限り、基本的にはその言語圏の絵師を起用していると推察されます。おかげでそれほどぶっ飛んだ「アメリカ人の考えたなんちゃってJAPAN」とかではないので、和服のエルフもすんなり受け入れられました。おだんごを駅弁売りするって斬新だな。それともそういう地方が日本に存在するのかしら。
台湾エルフはまじで欲しい。でもまあ、海外版を輸入しているお店か、現地に行って買うしかないんですけどね。メルカリとかだと法外に高いし……ていうかこんな美麗なカード高騰するに決まってるじゃないですか。転売ヤーに目をつけられないよう祈るしかない。友だちで台湾に住んでる子とかいなかったかな〜
今回はマジック:ザ・ギャザリングのグローバルな一面をご覧いただきました。次回こそ!ニューカペナの美麗な摩天楼のアートをご紹介します!
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、ごきげんよう。
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