ニュースつぶやき「紙の本が電子書籍よりも優れていることを示す数々の研究報告」
紙の本のいいところは、触感で厚みのわかるところ。あの文言はどのページだったか、というときに感覚的に即 開けるところ。面白い本ほど、もうページがこれしか残ってない……という切ない気持ちが起こるところ。
電子書籍と紙の本とのちがいにフォーカスした記事を読んで、思うところがありましたので、少し書くことにしました。今回のニュースつぶやきは、拡大版です。
この、触覚ってけっこう大事だと思うんですよね。より正確に言えば、視覚以外の感覚を「読む」という行為に連動させると言いますか。紙やインクの匂い、紙質のちがいによる手触りのちがい、ページをめくる音、それらすべてが合わさって、印象となるのだと思います。
本文中にもあるとおり、電子書籍って、読む側の環境によってかなり感覚がちがうじゃないですか。フォントの大きさだったり、表示領域の広さだったり、もっと単純にデバイスの縦置きか横置きかでもちがってきますよね。自由である半面、その書物の持つ性格や個性といったものはどうしても紙の本に比べて薄れてしまう気がします。まして他の感覚を動員できないとなれば、よほどの筆力がないかぎり、その印象は薄味になっていき、記憶に残らないものになってしまうのではないでしょうか。
この本は、こう読むんだ!この第〇〇ページには、〜〜が書いてあるんだ!という自己主張をしてくれたほうが、私は読みやすいですし、頭にも残ります。たしかに、紙の本は、重い、かさばる、場所をとる、劣化する、といろいろな欠点を抱えているように見えがちですけれども、でも、それが紙の本ってものです。とてもじゃないけど寝転がりながら読めないほど重い「指輪物語」や、布で装丁された表紙に魔法の護符アウリンが刺繍された「はてしない物語」、芸術的な表紙が美しい「ナイトランド叢書」シリーズなど、紙の本でしか味わえない雰囲気、重厚感、ギミック、手に取る喜びなどというのは、絶対あると思うんですね。
電子書籍は、いまや誰でも参入できる表現の場として機能しています。しかし、電子書籍であるがゆえに、紙の本に絶対にかなわないところを持っていることも事実であり、そこをどう代替するかによって、今後の電子書籍の立ち位置は変わってくるだろうと思います。私は、愛読書が火事で燃えたり、どこかでなくしたりしたらきっと半狂乱になって取り乱すでしょう。なぜなら、その書物とともに過ごした思い出が、紙の本という物体そのものに宿っていると考えているからです。対して、電子書籍を誤ってデータ削除してしまったらどうでしょうか。(うわっ……やっちゃったぁ〜しかたないまたダウンロードするか!)で終わると思います。この愛着のちがいも、物体とデータのちがいなど思うんですね。
私もKindle出版を目標にして書き進めておりますけれど、電子書籍はあくまで切り込み隊長、本隊は紙の本という形を理想にしています。そのためにも、電子書籍のこれからがどうなるか、注視していきたいですね!
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