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【愛されたいって言えなかった】 第6回「叶わなくても、続けるということ」

「愛されたい」をテーマにお送りしている戸田真琴の連載第4回。毎月、さまざまな角度からテーマについて掘り下げていく予定です。何かの要因で表になかなか出ることのなかった「愛されたさ」を発掘したり、誰かの愛されたさについて考えてみたり、私たちの人生を真綿で締めるようにじわじわと縛っているあの「誰かに(自分が望むやり方で / 満足に / 濁りなく)愛されたーい!」というほぼ実現不可能な巨大願望についてみなさんと考えていけたらと思っています。愛されたかったエピソードも募集したりする時もあるかもしれません。愛されたい!と一度でも思ったことのあるあなた、ぜひお付き合いいただけますと幸いです。

前回の記事はこちら↓


【愛されたいって言えなかった】 第6回「叶わなくても、続けるということ」

 心の奥底に愛のある世界を夢見ながらそのことをおくびにも出さずに今日も社会的務めを果たしてきたであろう懸命な友のみなさん、こんにちは。戸田真琴です。
 早いことで、このプロジェクト「I‘m a Lover, not a Fighter.」も始まって約1年が経ちました。女の人が脱ぐことが当たり前かのようになっている社会、過剰なレタッチで消されていく尊い身体の目印たち、めまぐるしく回っていく消費と流行、そして、写真を撮る/撮られるということそのものについて思いをめぐらせ、日々迷ったり戸惑ったり躓いたり、甦ったりを繰り返しながら、応援くださっているみなさんに支えられてなんとか始めの1年をサヴァイブしてくることができました。ひとえに感謝の気持ちを申し上げます。
 私は今の本職を来年の1月で引退することを発表していて、さらには自分が監督をつとめた映画の劇場公開も間近にせまっており、まさに今、環境が変わっていく過程の中にいます。さまざまなことに迷いながら進んできたここ数年間の中で、「Lover」を始めてからの1年間は、社会を見つめる一人の女性として、また、それらとは別のレイヤーを生きるひとりの表現者として、それぞれのまなざしと出力の仕方について鍛え続ける日々だったと感じています。
 今回は、1年間のLoverの歩みを思い返しながら、その時に込めていた願い事、そして、続けるということの意義をあらためて考えたいと思います。

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