見出し画像

ルーシー、理事長になる〜ユーモアコミュニケーション

ユーモアコミュニケーションのクラスを受講し始めて3年目の春、図らずもクラスで学んだことを実践する機会を与えられました。

私はマンション住まいで、十年に一度、組合役員の仕事が順番で回ってきます。役員は以前にも経験し、打ち合わせに出席して決まったことだけをすれば良いので気軽に構えていました。

ところが今回は全くの想定外。組合のトップ、理事長になってしまいました。その仕事は想像以上に大変なものでしたが、ユーモアクラスで学んだことを活かしつつ、皆さんにサポートしていただき『明るく元気に楽しく』任務を全うしました。

理事長として意識した事は3つです。

1つ目は、自分から笑顔で挨拶をすること。相手より先に、明るく元気にテンポよく、です。

このとき、「あなたに会えて嬉しい!」という気持ちで挨拶をしました。そうすると会って嬉しいと思えない相手とも楽しく会話ができました。

2つ目は会話に相手の名前を適度に入れること。

3つ目は傾聴です。相手が話しているときは相手の目を見て、しっかり最後まで聞く。時々頷いたり、つまりこういうことですねと相手の話しを要約したりしました。こうして相手の話を受け止めると、文句を言っている人も表情が和らぐことが何度もありました。

さて、実例と思いがけない結末をご紹介します。

理事長をしている間に起きた最大の事件はA4の紙3ページ分の苦情の手紙をもらったことです。理事長が責任を果たしていないと書かれていました。私は久々に一日落ち込みました。でも8時間寝たので、正確には16時間です。

送り主の男性は、数年に一度ぐらい、ちらっと顔を見ることがある人でした。それなのに、手紙をもらった3日後、その人にばったり。お互いに立ち止まりました。私は一瞬気まずさを感じましたが、すぐに彼に歩み寄り、元気ににこやかに挨拶をしました。

これはクラスで鍛えられていたので、カラダがすぐに動きました。「会えて嬉しい!」と気持ちを込めた私の笑顔に、彼はちょっと照れたような笑顔になりました。

その笑顔に向かってすかさず「先日はお便りを、ほ〜んとうに、ありがとうございました!」と、心からお礼を言いました。

すると彼は少し申し訳なさそうに「すみません」と言ったのです。ちょっと書き過ぎたと思ったのでしょうか。私は、いろいろ教えていただいて、とても助かりましたと伝えました。

それから数日後、彼の奥様がお花を持って訪ねて来ました。昨年母が亡くなったことを聞いたそうで、お母様にお花をお供えしてくださいと。びっくりしました。

さらに、何か困ったことがあったら、いつでも自分や主人に声をかけてくださいと言いました。そんなことを言ってもらえるとは夢にも思っていませんでした。

こんなふうに、思いがけない嬉しいことがたくさんあり、最後は退任するのが寂しいくらいでした。

退任後は、組合役員の方から疲れをねぎらってくださいといただいた入浴剤で、幸せなバスタイムを過ごしています。

ハッピー・ラッキー・ミー
ルーシー

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?