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【翻訳】5色氷雪コントロールガイド【レガシー】

原文はこちら

Channel Fireballより、RICH CALIによる、レガシーの氷雪コントロールガイドです。※一部意訳を含みます。

私自身もレガシー環境でsnowミラクルで遊んでいるため、自分用に読みたいと思い、雑に訳しました。

それでは参りましょう。

【はじめに】

レガシー環境でコントロールデッキを組む際に、使う色の選択は、デッキの柔軟性・脆弱性を決める要因となりやすいです。

長い間、プレイヤー達は「柔軟性・脆弱性の選択を色では行いたくないな」と判断していました。

現在では、あるていどハメを外したマナベースを使い、安定性を犠牲にすることで、適切な色をデッキに組み込み、相手の脅威に適切に対処できるようにしています。

《アーカムの天測儀》のリリースは、その“ハメのはずし方”を完全に変えてしまいました。

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天測儀により、プレイヤー達は、様々な色へのアクセスを犠牲にすることなく、通常では重くのしかかるマナベースの問題を解決することができます。

結果、生まれたデッキは「5色スノーコ」であり、レガシー環境が生み出す様々な脅威に対して、多くの色を使った様々な手段で対応することができます。

既存のデッキ「バントミラクル」と類似点もありますが、プレイは全く異なります。

今回は、channel fireball の Anuraag Das(AnziD)が直近のエターナルウィークエンドでTOP8入賞を果たしたリストを掘り下げ、このデッキがレガシーで非常に効果的である理由について説明します。

デッキリストは、晴れる屋様からお借りしました。

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【主要な戦法】

まず、このデッキを簡単に紹介するならば

「《アーカムの天測儀》の力に頼り切って、レガシーで使用できる最強の脅威と最強の対応札を使い倒すコントロールデッキ」

です。
除去呪文は多岐に渡りますが、《王冠泥棒、オーコ》、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》はゲームを長引かせる(ライフを守る)のに有効なため、相手の脅威に全て対処する必要はありません。
これにより、特定の問題のある脅威に対する解答が明確になり、カードからより多くの利益を得ることができます。


【採用カードの選択について】

・《アーカムの天測儀》4枚

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昔から、4-5色のコントロールデッキは、常にマナベースの問題と戦ってきました。
《アーカムの天測儀》は、その問題を完全に解消しました。
《不毛の大地》《血染めの月》《基本に帰れ》に強いマナベースを持つということは、スノーコが安定してマナを供給し続けられることを意味します。
一度《アーカムの天測儀》が場に出てしまえば、デッキに入っているカードの色はもはや問題ではありません。

これにより、スノーコを使う側のプレイヤーはマナトラブルのリスクが無い上に、使うスペルの能力が相手より強力であるという利点があります。


スノーコとは対照的に、ミラクルは非常にベーシックで重いデッキでした。
《アーカムの天測儀》はミラクルのマナベースの一貫性を助長するとともに、より安定性を持たせますが、スノーコでの使い方と全く同じというわけではありません。
《アーカムの天測儀》は、4-5色のコントロールデッキであっても、ミラクルと同じような一貫性を与えます。この一貫性のせいで、アグロデッキは、これらのコントロールに対するアプローチを変える必要があります。

・《自然の怒りのタイタン、ウーロ》4枚
・《王冠泥棒、オーコ》2枚
・《トレストの使者、レオヴォルド》1枚

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《自然の怒りのタイタン、ウーロ》は、デッキのメインエンジンです。
アグロデッキに対して時間稼ぎをしながら、マナベースを構築し、《目くらまし》や《呪文貫き》のような、将来相手が引くであろうカードをたやすく解決してくれます。
脱出をしようものなら、相手のアグロデッキのフィールドの脅威は、6/6を前に佇むのみで、シャットアウトし、アグロのゲームプランを完全に変えさせます。
特に、終盤のゲームにおいての《自然の怒りのタイタン、ウーロ》への依存度は、5cスノーコとバントミラクルの大きな違いのひとつでしょう。
《自然の怒りのタイタン、ウーロ》は、ゲームを掌握しやすいですが、突然ではなく、徐々に徐々に掌握していきます。
一方、バントミラクルは、《天使への願い》と《神秘の聖域》で、突然のゲームエンドを演出します。

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《王冠泥棒、オーコ》はマジでなんでもできます。除去するのは難しいし、相手が繰り出す脅威は鹿にでき、プレインズウォーカーには鹿でプレッシャーをかけ、フィニッシャーにもなります。

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《王冠泥棒、オーコ》の追加分のスペースが《自然の怒りのタイタン、ウーロ》でうめてありますが、《王冠泥棒、オーコ》はこのデッキで確実に、最強のカードのひとつです。

《トレストの使者、レオヴォルド》は、最近では、あまりメジャーな選択ではないかもしれません。が、それでもゲームには大きな影響を与えます。
相手の最も効率的な展開を疎外し、また、相手があなたのパーマネントと対峙しなければならない場合、膨大なアドバンテージを稼ぎ出すでしょう。

・《剣を鍬に》3枚
・《暗殺者の戦利品》3枚
・《真冬》1枚
・《湖での水難》1枚

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レガシーにおける多くのフェアデッキと同様に、除去カードの構成は、その時のメタゲームによって大きく異なります。
この除去の並びは非常に堅く、スノーコはあまりに多くの脅威にさらされることは少ないでしょう。

《剣を鍬に》は、今現在、プレイされうるほとんどのクリーチャーに対する、軽く、的確な回答です。

《暗殺者の戦利品》の用途は、多岐にわたり、脅威に対する回答であったり、《虚空の杯》から《王冠泥棒、オーコ》まで、こちらを固めてしまうカードを狙い撃ちしたり、スノーコにとっては、非常に大きな恩恵があります。
多くのプレイヤーは、デルバーデッキに対する回答を求め、《暗殺者の戦利品》よりも《突然の衰微》を使いますが、《暗殺者の戦利品》は《騙し討ち》や《わめき騒ぐマンドリル》、《グルマグのアンコウ》を対象にとれるため、最近の環境ではこちらが魅力的でしょう。

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《湖での水難》が対応できる範囲は非常に広く、カウンターとしての使用もできるため、《暗殺者の戦利品》とあわせて使われ、スノーコが対峙するデッキに対する回答のギャップをうまく補ってくれます。

《真冬》は少し浮いているように見えますが、このデッキは、氷雪パーマネントを並べるのは苦ではないため、簡単に全体除去として使うことが出来ます。
他の氷雪デッキでは、「《氷牙のコアトル》を巻き込まない」という利点がありますが、このデッキではそうではありません。
《自然の怒りのタイタン、ウーロ》だけ残すのです。更地に《自然の怒りのタイタン、ウーロ》が残れば、ゲームエンドも近いでしょう。
そうだ、ここで《自然の怒りのタイタン、ウーロ》について少し話をしますが、スノーコは、相手が展開するクロックに対して、その全てを除去する必要が無いのです。
《自然の怒りのタイタン、ウーロ》は、相手のゲームプランを台無しにする手段として有効です。
スノーコは純粋なコントロールデッキではなく、かなりのゲームにおいて、ミッドレンジとして振る舞います。

・《サメ台風》2枚
・《氷牙のコアトル》0枚!!

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《サメ台風》は、《氷牙のコアトル》に少し似ていて、《秘密を掘り下げる者》のようなカードをブロックするのに都合がいいカードです。
序盤は、やや浮いているのですが、終盤のゲームにおいては、めちゃめちゃ効きます。
インスタントタイミングで、(しかもカウンターされずに)5/5とか6/6サイズのサメを繰り出せば、早急な回答が必要になりますし、それだけで勝ってしまうこともあります。
早めに1/1でブロッカーとして立てておけば、《王冠泥棒、オーコ》や《精神を刻む者、ジェイス》を守ることも可能です。

《氷牙のコアトル》は、通常は氷雪コントロールの定番ですが、AnziDのリストは、本来よりかなり《自然の怒りのタイタン、ウーロ》に依存しています。
そのため、《氷牙のコアトル》よりも、《サメ台風》のように墓地を肥やすことが出来るカードのほうが価値が高いのです。
《氷牙のコアトル》を抜いて空いたスペースは、通常のデッキに入る《自然の怒りのタイタン、ウーロ》の追加分であったり、《湖での水難》のような追加の除去のスロットになります。

・《意思の力》4枚
・《否定の力》2枚

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ピッチのカウンターは、レガシーの青いフェアデッキでは定番です。
スノーコはアドバンテージを得る手段が非常に多いので、《意志の力》の弱い部分を簡単に補うことが出来ます。
このカウンターセットは、盤面を介さない、レガシーのアンフェアデッキに対して、やや弱いです。
その対価として、スノーコは、盤面を介するフェアデッキにはめちゃめちゃ強いのです。
そのため、この脆弱性は、強さの代償であり、それを上回るリターンがあるので、悪くないと思います。


・《森の知恵》3枚

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《森の知恵》は、フェアデッキに対してめっちゃ強いカードです。
たまに、2マナの《精神を刻む者、ジェイス》なのではないかと感じるほどで、ゲームを通じて多くの選択肢と、アドバンテージをもたらしてくれます。
デッキの核として紹介した《自然の怒りのタイタン、ウーロ》とも相性抜群です。
相棒である《自然の怒りのタイタン、ウーロ》が、このデッキを《森の知恵》の最高の居場所にするのです。


・《カラカス》1枚

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《カラカス》は、エムラクールをバウンスするだけでなく、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》や《トレストの使者、レオヴォルド》と一緒に使うことで、これらの脅威を簡単に除去できなくします。
1枚《カラカス》を刺しておくことで、大きなリターンを得ることが出来るのです。
※《思案》によって、シルバーバレットを引き当てる考察をしている記事を書いていますので、よろしければこちらもどうぞ。


【サイドボード】

・《森の知恵》1枚

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4枚目となる《森の知恵》はコントロールミラーで最高のパーマネントです。

・《花の絨毯》2枚

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《花の絨毯》は、デルバーデッキがとってくる、マナベースを攻める戦略を簡単に回避するのに役立ちます。
《不毛の大地》と《冬の宝珠》は、場に出ている絨毯に対して何もできないので、とても魅力的なのです。

・《翻弄する魔道士》2枚

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【最後の審判】は、このデッキにとって、かなりきつい相手であり、メッダーは、相手の勝ちを阻害するのに役立つ可能性があります。
それ以外にも、ほとんどのレガシーのコンボデッキに対して、このウィザードがうまく機能するので、私はこのデッキにメッダーが入っていて最高です。

・《虚無の呪文爆弾》2枚

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めっちゃ早い墓地利用デッキに対しては、あまり効果的ではないかも知れませんが、序盤さえ凌ぐことが出来れば、一発食らわせることが出来ます。
《トーモッドの墓所》ではなく《虚無の呪文爆弾》を使う利点は、《虚無の呪文爆弾》は墓地に大きく依存していないが、墓地もリソースとして使う部分があるデッキ(ミラーマッチとか)に対しても有効なカードだということです。

・《疫病を仕組む者》3枚

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横に並ぶサイズの小さいクリーチャーは、単体除去の多いこのデッキにとって、脅威となる可能性があります。
《疫病を仕組む者》は、【エルフ】や【デス&タックス】に対峙する上で、最高のカードの1枚であるため、戦場におけるもっとも効果的な戦略を取ることができます。

・《紅蓮破》3枚
・《赤霊破》1枚

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これらの所謂「赤ブラ」系のためだけに、マナベースに赤を足す選択をするのは、コストが大きいですが、現在のオーコ環境では、赤ブラはレガシーにおける最高のカードなので、使えるということのほうが大切です。

・《夏の帳》1枚

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《夏の帳》は、赤ブラとは違い、青いパーマネントに対して回答にはなりませんが、カウンター・除去に対して言えば、レガシーではこのカードを超えるカードは存在しません。


【ポイント】

・《王冠泥棒、オーコ》は、相手の出したプレインズウォーカーにすぐに対応したい場合、《アーカムの天測儀》を鹿にして殴りに行くことも出来ます。
・このデッキでのゲームは基本的に長くなるので、《サメ台風》をサイクリングではなく、通常でキャストすることも全然あります。忘れないようにして下さい。
・《湖での水難》は、探査持ちのカードや、脱出持ちのようなカードに対してあまり信用がおけないので、そういった相手に対して使う場合は注意が必要です。


【サイドボード&マッチアップガイド】

・vs【ティムールデルバー】

スノーコの取るゲームプランは、デルバーの戦略をズタズタにできる可能性があります。(特にウーロは、このマッチで非常に強力なのため)
しかし、ティムールカラーのデルバーは、このマッチアップでも、まだ戦えるのです。
サイドボード後、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》に非常に依存しているこのデッキに対して、《運命の神、クローティス》は明確にキラーカードになります。

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《運命の神、クローティス》以外のカードに対しては、基本的に除去可能なため、《運命の神、クローティス》が入ってくることを知っていても、《意志の力》を残すのはあまり好ましくありません。
《森の知恵》と《疫病を仕組む者》は、どちらも抜いて入れるのにちょうどいい感じに見えますが、こういった効果のカードを入れ替えすぎるのはあまり好ましくありません。
《森の知恵》は盤面に影響を与えないので、複数枚《森の知恵》を引くことは、良くないし、《疫病を仕組む者》は、本質的に相手の脅威に対して答えているわけではありませんが、相手のクロックをスピードダウンさせられる可能性があります。

-アウト

・《意思の力》4枚
・《否定の力》2枚
・《森の知恵》1-2枚

-イン

・《花の絨毯》2枚
・《紅蓮破》3枚
・《赤霊破》1枚
・《疫病を仕組む者》1-2枚


・vs【最後の審判】

《タッサの神託者》を解決されるだけで負けてしまうので、このマッチはコントロールはめっちゃきついです。

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《翻弄する魔道士》をプレイできさえすれば、基本的にはこれに対処せざるを得なくなります。
そして、ここがこのマッチの鍵になります。
また、基本的に抜くカードに困ることはありませんが、《預言する妖術使い》を見かけたら、《剣を鍬に》を数枚残すといいでしょう。

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-アウト

・《剣を鍬に》3枚
・《暗殺者の戦利品》3枚
・《真冬》2枚

-イン

・《翻弄する魔道士》2枚
・《紅蓮破》3枚
・《赤霊破》1枚
・《夏の帳》1枚
・《森の知恵》1枚

・vsミラーマッチ

ミラーマッチに対する心得は、たくさんあると思いますが、ゲームの中で、除去を引くことは良い戦法だとは思えません。
《剣を鍬に》によって、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》をうまく除去できることは知っていますが、ゲーム全体でみたら、そのプレイにあまりインパクトはありません。
ミラーマッチでプレイされてしまうとヤバいカードは、たくさんあります。
それらを、出来る限りカウンターでシャットアウトする必要があるという時点で、このマッチは泥試合なのです。
このデッキには、出てくるカードに対して、1対1交換をする回答があり、《森の知恵》でドローも進めることが出来るため、こうなっているのだと思います。
このマッチアップは、ひたすら泥沼に向かってゆっくりと進んでいくことになります。

-アウト

・《意思の力》1枚
・《否定の力》2枚
・《真冬》2枚
・《剣を鍬に》3枚

-イン
・《紅蓮破》3枚
・《赤霊破》1枚
・《夏の帳》1枚
・《森の知恵》1枚
・《虚無の呪文爆弾》2枚


・vs【赤黒リアニメイト】

このゲームは、"サバイバル"です。
サイドボード後は、特に簡単で、あなたが最初のターンを生き延びさえすれば、その後も生き残る可能性はどんどん上がります。
そして、生き残るためにプレイを続ければ、あの王冠泥棒が、相手の脅威をいつでも鹿に変えられるタイミングがやってきます。
ライフゲインはありますが、《剣を鍬に》は、《暗殺者の戦利品》よりも早くプレイできるので、効果的です。

-アウト
・《暗殺者の戦利品》3枚
・《真冬》2枚

-イン

・《虚無の呪文爆弾》2枚
・《翻弄する魔道士》2枚
・《夏の帳》1枚

・vs【デス&タックス】

デスタクに対して入れるカードは、あまり多くなく、このマッチは非常にやり辛い対戦になることが予想されます。
《迷宮の霊魂》は、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》をバニラにし、《スカイクレイブの亡霊》は、《王冠泥棒、オーコ》と《疫病を仕組む者》に対するクリティカルな回答になります。

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《意思の力》があまり強くないマッチではありますが、サイドボードから他に入れたいカードがあっても、《ハルマゲドン》や《大変動》、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》への回答として、数枚入れておく必要があります。
このマッチで最も重要なことは、マナベースを育て、脅威に対して回答し続けること。
序盤さえ凌げれば、後半のゲームはかなりイージーになるので、相手の場に《カラカス》があっても、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》はアドバンテージマシーンとして機能し続けます。

-アウト

・《意思の力》1枚
・《否定の力》2枚

-イン
・《疫病を仕組む者》3枚


RICH CALI


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