初コロナ。その３（ネットスーパー）

「これかあ・・・嗅覚がなくなるって本当だったんだ」
お気に入りのジャスミンの香りのハンドソープ、いまや無香料状態。
もともとアロマや紅茶の香り、ハンドクリームなど、いい香りのするものが好きで、香りによって癒される私にとって、これはなかなかつらいものがあった。

　が、とにかく今は母と私をしっかり回復させることが先決だ。
シングルで東京で、頼れる親戚もいない私たち親子にとって、まさに戦い。
母が私にとって最後の家族なのだ。
「買い物・・・どうしよう」

ふと、同僚が「うちなんかもうネットスーパーだから！車ももって無いしさ、家に配達してくれるからほんと助かるんだよね。」と言っていたのを思い出した。
　
　さっそくネットで検索した。すると出てくる出てくる・・・。
幸い当日に配達可能なスーパーがあった。
普段買っているものをいろいろ選び、３０００円以上の買い物で配送料ただというのもあり５０００円分くらい注文してみた。

　夕方。きれいに袋に入れた状態で食品が届いた。

「なんてありがたいの・・・」この言葉につきる。
ネットスーパー最高。配達員さん本当にありがとう。暑い中・・・。

　おかげでおかゆやら卵豆腐やら、ヨーグルトやら、食べやすいものを冷蔵庫に保管して家でゆっくりすごすことができる。
　母も小さくカットしたすいかを口にして目を細めた。よかった・・・。

　生きていくのって大変だ。自分がコロナでも、やることはやらなければならない。家の消毒、ごみすて、洗濯、食器洗い、家族への食事準備・・・。
１人暮らしのコロナも大変だと思う。不安だし、独りぼっちだし。しかし、家族をまもりながらのコロナもなかなかヘビーだ。
　だからこそこういう便利なシステムをうまく活用して、
すこしでもゆとりをもって療養していくことがすごく大切だと実感した。
　そんなことを考えながらノンカフェインのアップルティーを飲んだ。

もちろん、「白湯」を飲んでいるのとなんら、変わらなかった。
（つづく）