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「あて所に尋ねあたりません」でした。

正月気分も「過去」になり、また日常が戻ってきた。
今日も満員電車で人に支えられながら立ち、いろいろあったはずだが「無」の境地で帰宅した。
今住んでいるアパートの集合ポストは薄っぺらいしのぞくたびにカラなのに、今日はすこしそこからあふれるくらいの郵便物が見えた。
ポストを開けて、そのほとんどがチラシだったことが分かったものの、
5枚くらいはがきが入っている。
昨年は「もうLINEでいっか」と思ったり、友人から「もう年賀状やめるからね」とメッセージが来たりして、そんなもんかと思ったけど、
こうしてハガキが届くとやはり「誰からかな~?」とワクワクしながら部屋に入った。

結果、「自分から」だった。
5枚のうち、4枚は。
「自分から」というか、自分が出した年賀状の相手が住所変更をしていて、
「あて所に尋ねあたりません」という丁寧なハンコが押されていた。
しばし立ち尽くす。

あて所に尋ねあたりません・・・なんてお上品で申し訳なさげな表現だろう。
要は、「そこにこんな名前の人は今住んでないから送り返すよ」「住所間違ってんじゃないの?ここにこんな人いない」ってことなんだけど、「あて所に尋ねあたりません」とやんわり教えてくれて、まるで受け取る側のショックを少し和らげてくれるかのようだ。

さっそくLINEして「ちょっと、年賀状戻ってきたんだけど」って言ったら、「あ、言ってなかった?引っ越したんだよ、旦那の転勤。でも多分言ったよ?」と
そっけないw「じゃあこれをもって年始のごあいさつに代えさせていただきます」と嫌味っぽく返事したら「wwwwwwww(大草原)」が返ってきた。
まあ、たぶん、言ってくれたんだろう。5枚中4枚「尋ね当たらない」なんて、こっちにも責任がある。「御無沙汰をしていた」ということか。

早くも「来年こそちゃんと住所確認しよう」と考えている。

とりあえず、私の心をやんわりと慰めてくれた「尋ねあたりません」が今すごくフィットしているので、何かにいかしたい。
明日職場で「すみません、記憶に尋ねあたりません」て1回使ってみようと思う。

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