1・はじまり

先輩からの連絡はひとことだった。

『今日の夜迎えに行くからまた連絡する』

自分でもびっくりする。

酔った勢いでこんなことになるなんて。

この時私には彼氏がいるってこと、すっかり忘れてた。

付き合って半年。

自分が浮気するとは。

先輩を想った時間が長すぎた。

本当に好きなのは先輩なんだなって今実感している。


夜になって先輩から連絡が来る。

『今から時間できるけど会える?』

すぐに返信する。

『いつでも大丈夫』

家が近いこともあってすぐに会う。

先輩は車。

なんだかちょっと恥ずかしい。

「お迎えありがとう」

と伝えると先輩も少し緊張している様子だった。

「え?確認だけど本当にいいの?彼氏いるよね?」

私は迷わず伝える。

「だって私ずっと先輩のこと好きだったもん・・・」

「ありがと」

それで頭をポンポンするとこずるいよ。

付き合うことができないなら、身体だけの関係でもいいよね。

普段は先輩と後輩の関係。

周りには絶対にバレないように。

って自分で言い聞かせる。

初めて先輩と身体を重ねた時、信じられない気持ちと緊張と幸せがぐちゃぐちゃになったような感覚。

そして初めて彼氏を裏切ったけど、そんなことどうでもよくなるくらい幸せな時間だった、と思う。


その後すぐに彼氏とは別れて、定期的に先輩と身体を身体を重ねることを楽しんでいた。

そのくらいの関係性が丁度いいって思てた。

好きだけど、依存しない。

その関係は長く続いた。


多分その先輩をきっかけに、私の恋愛感情がバグったんだろうなって思う。

人を好きになるってどんな感じだったかなって分からなくなった。

とりあえず、身体の相性、快楽におぼれていく私になっていった。


つづく



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