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ステイホーム、おうち時間、巣ごもり、、、
このコロナ禍でいろんな言葉が産みだされましたが、どんなに可愛く言ってみたって結局はただの自粛である。

んーーー
JISYU・く・・・暇っぽい
(唄/工藤静香・作詞/中島みゆき)


ただ僕はといえば、コロナ以前からそんなに飲みにも行かなくなっていたし、家から事務所まではボルトなら夢の8秒台な距離で、1番満たされる時間は読書。しかも最近犬を飼ったばかり、とコロナの外出自粛によるストレスはほとんど感じていない。

やっとコロナの収束も見えてきた感じがしますが、まだまだ油断は禁物。季節は冬。まだまだ積極的に外出するのは不安なワクチン未接種中高年真っ盛りな僕が、今回は自身最大の趣味である読書について書いてみます。

20年以上も昔、まだ若毛がボウボウで大作家を目指してヘミング道を邁進していた頃、縁あって「POPEYE」でライターの仕事があると銀座のマガジンハウスへ呼ばれたので、
「生粋のシティボーイ”ジョン”26歳の赤裸々性体験」ではないかと勝手に企画を予想し、過去の記憶を辿りたっぷりノート半ページに豊富な経験を整理して飛び込んでみたが、内容は食レポの類いだった。

「HOT DOG PRESS」と勘違いしていたのである。

ほっとどっぐ

そんなHOTな経験持つ僕がオススメの本をご紹介しよう。

まあ、本棚を見せるほど恥ずかしい行為も無いような気もするが、そこは全国誌で赤裸々な性体験を語ろうとした僕である、ドーンと丸裸になって書いてみよう。

よく「人生を変える10冊」などという企画を目にするが、高くても3000円程度で人生を変えようという考えはかなりチャンアマだ。

とはいえ、少し人生の軌道を変えるくらいの力は本にはある。

なんで、あくまで、なんとなく面白くて記憶にある本を思いつくままランダムに、駆け足で紹介したいと思います。

ちなみに、「駆け足で紹介しよう」という文章をよく見かけます。よほど有効な書き方なのでしょう。やってみる。


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うまく書けません。。。
走りながらキーボードを打つ人がこんなに多いのに、僕にはできないようです。これでは大作家になどなれるはずもありません。ここからは座って書かせてもらいます。

まず、愛読書と言えば少年ジャンプとデラベッピンのみであった中学生の僕を、本当の読書に目覚めさせたのは沢木耕太郎の深夜特急と、今思えば漫画のような小説であったシドニーシェルダンの超訳シリーズ(何処行ったんだこの人)でした。

深夜特急は、当時強く持っていた僕の外国への憧れをモロに刺激し、シドニーシェルダンの超訳シリーズは漫画の延長としてスラスラ読むことができた。

さわきこうたろう

その後活字アレルギーを克服した僕は、親の本棚からジェフリー・アーチャー「カインとアベル」、司馬遼太郎「竜馬がゆく」などの長編を貪り読んだ。

とは言え、仲間との放課後夜間パトロールは、渋谷や六本木の治安の為にも滞りないように努めていたので、自然と貪るのは深夜となり、自然と高校への登校は3限から、とフレックスタイム制を採用した。

そして、時はプロレス全盛期。男子はみんな熱狂していたあの時代、早々と「八百長じゃん」と言っていたシュルレアリスム主義な僕は、一つの作品に出会う。それは先述した「深夜特急」の沢木耕太郎著「一瞬の夏」だった。これはボクシングファン以外にはそこまで知られていない、カシアス内藤という黒人の血を持つボクサーの再起を描くノンフィクション作品で、「ここまでやるか?」という程取材対象に没入した沢木ワールドの傑作だった。

主人公の強さより弱さにフォーカスをあて、その葛藤を自身も共有し、フィクションでは描けないリアルな生々しい文章を、ボクシングファン沢木耕太郎の、私財を投げ打ってまでの取材魂と鋭い洞察力でフィクションより面白いストーリーに仕上げている。

いっしゅんのなつ

ここからノンフィクションにどハマった僕はノンフィクション作品を読み漁った。本当に読み漁った。

魚と違って乱獲しても国際社会に怒られないのが本である。

一橋文哉「三億円事件」
沢木耕太郎「凍」
島田覚夫「私は魔境に生きた」
星野道夫「旅をする木」
増田俊也「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」
レイチェル・カーソン「沈黙の春」
ペトリ・サルヤネン「白い死神」
ヴィクトール・フランクル「夜と霧」
ジョン・クラカワー「荒野へ」


傑作はいくらでもあげられるが、

「オーパ」開高健

一冊だけならこれ。ベスト・オブ・ベスト・ノンフィクションがこれ。釣り竿とペンを手に、南米の大河アマゾンを縦横する。肉食魚ピラーニャ、幻の巨大魚ピラルクー、黄金の跳魚ドラドを追い、釣り、食べ、呑み、そして書く。熱気と興奮と怠惰とユーモアが混じり合った裸の知覚がある。これは、文学であり詩であり箴言であり哲学であり告白だ。何事であれ、ブラジルでは驚いたり感嘆すると、「オーパ!」という。大判・文庫と何度も買い、何度も読み返しているけど、今でも「オーパ!」とつぶやいている。未読の方は幸せもの、全員が全員にお薦めしたい、極上のノンフィクション。

おぱ

と、こんな風に書評を細かく書いていたらコロナも収束して自粛期間も終わってしまうので、ここからは簡単に、そう本当の駆け足で紹介していこう

しかし、駆ける前にひとことだけ言いたい。読書とは純粋に素晴らしいことなのだが、表面的な知識は糞の役にも立たない、いやむしろ邪魔になるだけだろう。

尊敬する横尾忠則パイセンもインタビューの中で「知識が人間から自由を奪う。大人になるほどに淘汰するべきだ」と言っている。

それなのにコンビニにまで蔓延するハウツー本の数々。


偉人の言葉集や成功者ストーリーなどは、読んだ時はそれなりに関心するが、それだけ、お終い。

良い言葉は心に染みることは確かだけど、それが実体験と伴って地肉にならなければ意味はない。良い言葉をたくさん浴びるよりたったひとつの言葉を生活の中で常に意識していたほうがいい。

同じように、沢山の成功者のストーリーを読んだところで、その人間達に自分との共通点なんてひとつもない。書いてあることだってあくまで個人的な経験で、ハッキリ言って後出しジャンケンである。いいとこ取りをしてなにも形をなさないのであれば、自分が最も共感できるひとつのストーリーを1000回読んだほうが意味がある。

とは言え、実際に売れていて、しかも為になりそうな本をネットで調べてみた。


「仕事が速いのにミスしない人は、何をしているのか?」飯野謙次
「7つの習慣」スティーブン・R・コヴィー
「超習慣術」メンタリストDaiGo
「嫌われる勇気」岸見一郎
「メモの魔力」前田祐二
「1日1ページ読むだけで身につく世界の教養365」
「多動力」堀江貴文
「スタンフォード式デザイン思考」
「スタンフォード式生き抜く力」
「スタンフォード式
スタンフォード式。
ヒロシです。ヒロシです。

これらの本は、ハッキリ言おう
読まなくていい!

ちなみにこちらは、先ほど仕事のブレイクの為にスッパイマンを箱買いしに行ったローソンで見たタイトルである。

「見るだけで勝手に記憶力がよくなるドリル」
「肺炎がいやなら、喉を鍛えなさい」
「頭を揉むとすべてが上手くいく」

JAROに通報したほうがいい!


なんと10万部も売れているらしい「腸がすべて」

この作者はただちに、心臓、肝臓など腸以外の全ての臓器を心待ちにしている患者さんのドナーになるべきだ。さらには網膜、皮膚、アキレス腱なども必要としている人に届けてほしい。「あなたの脳だけはいらない。」

ともかく、極上の「ノンフィクション」はルポルタージュやサイエンス、ジャーナリズムからアカデミックまで、その世界は広大で豊穣で、ガチの手記から写真レポート、小説仕立てのノンフィクション・ノベルまで、汲めども尽きない叡智の泉だ。

そして大事なのは、読むときに目的を持たないことだ、ハウツー的な本には読んだ後こうなろう、こうなるだろう、こうなりたい、という読者の邪な気持ちが透けて見える。
とは言う僕も、ラブパクビジネスを立ち上げた時には右も左も、民主も共産も、中国と台湾さえも分からずビジネス本的なハウツーを読みまくった。
キャッチコピーに騙されまくり、ベストセラー的なものは全て読んだ。

例えば、「スティーブジョブス驚異のイノベーション」
と言う本を読んだ。

瓶に詰めたエスニック風味のドロっとした品物を売っている僕になにか関係があるだろうか、、、

それじゃあ、と同じ食品・飲料系プロダクトを売っている、
「レッドブルはなぜ世界で52億本も売れるのか〜爆発的成長を遂げた驚異の逆張り戦略〜」という本を読む。

これも、52億本も売る気はないので、
全く関係なかった。

ビジネス書などのハウツー物は、暇つぶしに斜め読みするくらいでちょうどいい。
大ベストセラーでご存知の方も多いと思うが、「サピエンス全史」という本がある。こちらもビジネス本としてカテゴライズされているが、そこで得た知識が何か仕事に役立つだろうなどと邪なことは思わないほうがいい。この本は、後に続く「ホモデウス」「21レッスン」まですべて最高に面白い。しかし、あくまで純粋な好奇心のみを持ってストーリーを楽しむべきだ。

ビジネス本で繰り返し読んでいるのはこれだけ。

「仕事は楽しいかね?」/ディル・ドーテン
「ビジネス・フォー・パンクス」/ジェームス・ワット
「グレイトフルデッドにマーケティングを学ぶ」/デイヴィッド・ミーアマン・スコット

これらは、自分でビジネスをやっていない人が読んでも面白い話だと思う。

そして、僕は文学作品、といっても広義な意味での小説も、娯楽という意味で大好きだ。いわゆる文学作品にはなんど挑んでも越えられないチョモランマも存在するのだが。

「カラマーゾフの兄弟」/ドストエフスキー 「戦争と平和」/トルストイ 「森の生活」/ウォールデン 「百年の孤独」/ガルシア・マルケス  「沈黙」/遠藤周作 「ドグラ・マグラ」/夢野久作 等々

何度も挫折した、、、しかし、文学作品の大作だけが小説ではないし、何年も後にすんなりと読了することもある。「カラマーゾフの兄弟」など
読了後は3回も読み返すほどとマイフェバリートブックとなった。

いまでこそ大好物の村上春樹も、「ノルウェーの森」を最初に読んだ性器溢れる高校生の僕にはエロ本であった。官能的といえば聞こえはいいが、デラベッピンとは別のベクトルでエロスに溢れていた。
だが、10年後20代後半になった時に読み返してみればまったく違う世界が見えた。そして、村上ワールドにはまった僕は村上作品を読み散らかした。

散らかしても母ちゃんに怒られないのが本である。

それでは、そろそろ時間もやる気も無くなってきたのでここからホントの駆け足で、

「カラマーゾフの兄弟」/ドストエフスキー
「武器よさらば」/アーネスト・ヘミングウェイ
「ホテルニューハンプシャー」/ジョン・アーヴィング
「くそったれ!少年時代」/チャールズ・ブコウスキー
「風の影」/カルロス・ルイス・サフォン
「トムソーヤの冒険」/マーク・トゥエイン
「アルジャーノンに花束を」/ダニエル・キイス
「卵をめぐる祖父の戦争」/デイビッド・ベニオフ
「犬の力」/ドン・ウィンズロウ
「ブラックダリア」/ジェームス・エルロイ
「ドラゴンタトゥーの女」/スティーグ・ラーソン
「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」フィリップ・K・ディック
「燃えよ剣」/司馬遼太郎
「沈まぬ太陽」/山崎豊子
「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」/村上春樹
「マシアスギリの失脚」/池澤夏樹
「サラバ!」/西加奈子
「さようなら、ギャングたち」/高橋源一郎
「国境」/黒川博行
「まほろ駅前多田便利軒」/三浦しおん
「ワイルド・ソウル」/垣根涼介
「流」/東山彰良
「空中ブランコ」/奥田英朗
「神々の山嶺」/夢枕獏
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考えたらキリがないが、パッと思いついた僕の好きな小説たちである。ハズレは無い。(注:個人のかんそうです。)


結局のところ、どんな本を読んできたのかを語るのはやはり恥ずかしい。それは映画でも食べ物でもなんでもそうなのだが、開示してしまうと自分が何でできているかたちどころにわかってしまう。
ちなみに、僕の肉体は吉野家とマックと家系ラーメンと鳥貴族でできている。やはりとても恥ずかしいわけですが、勇気を出して開示してたまたまそれが共通の話題になったりしたら、その人とは鳥貴族で一杯やれるじゃないですか。
読んだことのある本、観たことのある映画、食べたことのあるもも貴族焼き(たれ)について、誰かと話す時間はけっこう幸せだと思う。


最近の本でアンデシュ・ハンソン著のベストセラー「スマホ脳」というのがある。(恐ろしい内容だが現代の先進国に生きている人は一読するべきだと思う)
それによれば、現代人は平均的に1日4時間スマホをいじっているらしい。
自粛生活の中でついついスマホを手にしていまう気持ちも分からなくはないが、その時間を少しでも減らして本を読んだ方が豊だと思う。

Stay home, stay foolish!!

メリークリスマ〜ス

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