ツレ妊#36 腹の中
<34週目>
エコー写真というのは常々見るのが難しい。
4Dにした時もはっきり写るまではどこが顔やらどこが足やら分からなかったりした。でも専門の方から見たら一目瞭然なのだと思う。
「笑ってるみたいですね」
と言われて、戸惑うツレ
送られてきた写真にワタシも思わず、うーんとなる。
どうやら
こういうことらしい。
なんかあれだねあれ思い出す。
ナウシカの巨神兵
「けっ笑ってやがる」
そんな感じ。でも笑ってるかはやっぱり分からない。ムズイ。
いずれにしてもかなり大きくなってきて中々体全体は写らなくなっている。
笑ってても笑ってなくても順調なら何より。
そして、ふと思った。
もうすぐ生まれるなあ、そうしたら二人でゆっくりご飯を食べに行ったりできなくなるんだろうなぁ、、、あれ、なんか、ちょっと嫌かも。
ツレが妊娠して以来初めての気持ち。これはきっと見逃して良い気持ちではない。
アタシは今までツレとや犬たちと出かけた時のことを回想した。
やんちゃで手がかかる時もあるけど可愛い犬。一緒に旅行したり、お出かけしたり。楽しくゆっくりした時間も過ごしてきた。
子どもが生まれたらそうはいかない。きっと泣くし、「ねえつまらない」というし(自分がそうだった)目が離せないし、出かけられる場所も限られるし、生活がガラリと変わるのだ。
アタシがさっき嫌だなと思った気持ちをもう一度見つめて、今度は未来について考えてみた。
お出かけした時に犬と子どもがいる。 子どもと犬が一緒に歩く姿、わちゃわちゃと賑やかにバタバタ落ち着かない様子。
うん、悪くない。
ちょっと大変になるけど、それはそれで楽しそう。
ふっと浮かんだ「ちょっと嫌かも」も気持ちは、今のものが失われるというよりは別のものに変わっていくという理解と想像の中に解けていった。
子どもを持つという選択をする時にも、そこまで欲しくないパートナーと欲しいパートナーの気持ちの間には溝ができてしまうこともある。
私自身は反対する気持ちもなかったし、子どもとの生活に向けて準備もしてきた。でも心が追いついていない部分がきっとあって、今それが出てきたと思う。そして今その気持ちが出てきたいうのは、本当に良かったと思った。
きっとおしっこも引っかけられて、全く思い通りにならないと思うけど、どれだけ楽しめるか、ちょっと未来が楽しみになった。
さて、出産が迫りつつある中で、最後の遠出となる大阪に出る直前、急に胃の調子をくずすツレ。
寒暖差も激しくなってきていたので、ただでさえも抵抗力が落ちているところで、胃腸炎になってしまったようだ。
最近、職場に顔を出してはお腹が痛いのに働いてしまって、余計にお腹が痛くなったり、胎動が激しくて恥骨が金属で殴られているように痛くて辛いと言っていた。
泣きっ面に蜂!!
「なんかほうれん草とか、にんじんとかすりおろした感じのものが食べたい、お腹に優しいもの」
ポタージュ的なものだと思うけど、、、人参、ほうれん草、、、
ポタージュを見ると、なんか無駄にバターとかチーズとかが入っていてお腹に優しくなさそうな仕上がりになってしまっている。うーんお腹に優しいもの、、、
あった!
にんじんとほうれん草!!
多分違う気もするけど、多分あっている気もする。
5ヶ月以上だから大丈夫!
とりあえず食べられるかは分からないけど、、これとバナナを枕元にそっとと置いたところ
「お供物じゃないんだから」と笑われた。
いや、妊婦というのは中々体に負担を強いて、拝むほどに大変な思いをしている。お供物、ある意味間違いでもないかも。
とりあえず病院に行って薬を飲んで様子見。飲める薬が限られているから、妊婦でも大丈夫なものを処方してもらう。
早く良くなると良いね、、、
ということで、子どもは内臓の働きもほぼ完成に近い!!らしい。子どもがお腹で育ちながら、胃腸炎になりながら本当に大変!!!
ていうか、前からちょっと思ってたんだけど、
君
のんきだよね。
少しだけ蹴らないであげて、でもすくすく育ってーーー!!
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