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「愛がなんだ」監督:今泉力哉/2019

こんなお話

28歳のOL山田テルコ。マモルに一目ぼれした5カ月前から、テルコの生活はマモル中心となってしまった。仕事中、真夜中と、どんな状況でもマモルが最優先。仕事を失いかけても、友だちから冷ややかな目で見られても、とにかくマモル一筋の毎日を送っていた。しかし、そんなテルコの熱い思いとは裏腹に、マモルはテルコにまったく恋愛感情がなく、マモルにとってテルコは単なる都合のいい女でしかなかった。

★レビュー★

久々に「共感」しまくりな映画、観ましたw
どこがって、このマモちゃんに熱を上げるテルコ・・・身に覚えがありすぎて、ありすぎて。

大学の頃、まさにマモちゃんみたいな同級生がいて、テルコみたいなメンタルになってた自分を思い出しました。

わかる、わかるな〜。親戚になりたいって気持ち。

「彼女」っていう、フワッとした一時的なつながりじゃなくて、もっと強固な、どう足掻いても途切れないつながり。それこそが、親戚w

そういう感覚って、憧れの人への恋、自分とはちょっと釣り合わない恋(相手:かっこいい、自分:そうでもない)に溺れる女性なら、ふっと頭をよぎることもあるのでは。

そしてマモちゃん役の成田凌が、めちゃくちゃハマってます。猫背でひょろっとしてて、甘え上手で、でも実は恋愛下手で。こういう子、いるいる〜。

ちなみに原作は、角田光代さん。

https://www.amazon.co.jp/dp/404372604X

帯に「ページを捲るたびに、人ごととは思えない気持ちになる ー島本理生ー」との言葉が。

昔、TVで太宰治の『人間失格』がなぜ多くの人に支持されるのかが解説されていて、“太宰の作品には独創性がありながら、同時に、誰もが「共感」を抱く普遍性がある”、というような話を聞いたことがあるんですが、『愛がなんだ』も、私自身のプライベートとリンクしたかのような私的物語と自己陶酔してましたが、実は多くの方の「恋愛共感」を生む作品なのかも、ですね〜。

原作は未読だったので、ぜひ読んでみたくなりました!


しかし、今泉監督って「機微」みたいなものを描くのが、本当に巧いな〜って思います。最近、『街の上で』も鑑賞したのですが、一人ひとりの心の揺らぎ、みたいなのが、セリフ・画面・俳優たちの息づかい、すべてから溢れ出ていて、それでいてユーモアがあって、押し付けがましくなくて。

今泉監督、今後の作品がめっちゃ楽しみです!

▼「愛がなんだ」公式サイト▼
http://aigananda.com/


<おまけ>
本作の主演をつとめた岸井ゆきのちゃん、今期のドラマ「恋せぬふたり」に出演してますね。

他者に対して性的欲求・恋愛感情を抱かない“アセクシュアル”男女同士の物語。

まだ第一話ですが、岸井ゆきのらしい厚かましさwと、高橋一生のクールさが、どんな化学反応を起こしていくのか、全8話、楽しみだ〜。

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