「女の勲章」監督:吉村公三郎/1961
こんなお話
大阪・船場の裕福な羅紗問屋の娘として生まれた大庭式子は洋裁教室を開く。式子の洋裁教室は人気を呼び、三人の弟子と共に、甲子園に服飾学校の設立する。
レビュー
山崎豊子原作の「女の勲章」。映画に加え、三度もテレビドラマ化されており、2017年の松嶋菜々子主演ドラマを記憶している方も多いのではないでしょうか。
この大映版の主役は、名女優「京マチ子」。
周りを取り巻く弟子たちには、若尾文子、叶順子、中村玉緒がいて、こうした名女優の共演が見どころの一つになっているわけですが、それをおいて存在感が際立っているのが、なんといっても「田宮二郎」です!!
これまであまり田宮二郎に興味はなかったのですが、この映画の銀四郎役はすばらしい!!
まくしたてるような早口、狡猾さ、ニヒルな表情、さすがの大映看板男優です。
この映画は主役が女性なわけですが、観てみると銀四郎の存在感こそNo.1。
映画界を追放されたり、43歳でこの世を去るなど、なんとも不遇な役者人生を歩んだ田宮二郎ですが、こうした演技を目の当たりにすると、長く活躍されていたら、一体どんな俳優になっていたのか見てみたくもなりますねぇ。
ストーリーは女の騙し合い?のようなものがありながらも、世間知らずの京マチ子を中心にメロドラマのようなテイスト。
パリの街並みが、どうも昭和っぽいのが若干気になりますが、まぁこの時代ならしょうがないかw
セーヌ川が、なぜか江戸川とか隅田川とか、そんな下町のように見えてしまうのが少々残念・・・。
ただ、ラストの鬼気迫る京マチ子は必見です!!
凝った演出も少なく、あまり注目度の高い作品ではないですが、大映を代表する女優・男優の名演技をともに楽しめる、なんとも贅沢な一本でした。
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女の勲章
1961/大映
<スタッフ>
監督:吉村公三郎
脚本:新藤兼人
製作:永田雅一
音楽:池野成
撮影:小原譲治
<キャスト>
京マチ子
若尾文子
叶順子
中村玉緒
田宮二郎
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