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Living Anywhere × MORIUMIUS 親子トライアルレポート

LivingAnywhereCommons八ヶ岳(LAC8)。ここでしばらく過ごしたい、自分だけでなく子供もこの余白の中で過ごさせてあげたい。そう、親子でLivingAnywhere(LA)してみたいと湧き出る場所です。その後にふと「とはいえ、親が働いている間、子供は...」という現実的なお悩み。
まだ、そこに対する取り組みは世の中にも少なく、子育て世代のほとんどの方が、ワーケーションを諦めているか、なんとかパートナーとのスケジュールを調整しての自分1人での “ワーケーション” ないし自分の横でタブレットや勉強をさせる形の“ワーケーション”が精一杯。

子どもを持つメンバーも多い(一社)LivingAnywhereは、「教育Anywhere」や「家族でLivingAnywhere」についてディスカッションをしてきました。そんな中、昨年秋にLAC8のコミュニティマネージャーのジョニーさんと焚き火を囲んで話をしたときに、一緒に来る子どもにとってもLAC8で過ごす時間を豊かなものにしたいという想いが重なりました。

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そこで親子で LAC8 にきた時の子供の時間をデザインして、親子で体験してみる企画を立ち上げることにしました。親が仕事をしているときに、子どもは託児で預かってもらえばいいのか。ただ子供を室内のスペースで預けるのではなく、子どもは楽しく豊かな時間を過ごしてほしい。そう描く私たちLAチームに、MORIUMIUS(モリウミアス)が加わってくれました。
MORIUMIUSは石巻・雄勝にフィールドを持ち、地域に根付く漁業や林業、そして自然に向き合ってきた歴史を、子供たちの “生きる” 力として自らが感じとるプログラムを作り、国内外の多くの子供や大人に展開しています。
ここ八ヶ岳で、どんな学びのコンテンツを私たちは子供と一緒に作り、親子はどんな時間を過ごせるのでしょうか。
春休みに約10組の親子でトライした記録をまとめていきます。

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プロジェクトの実施背景、きっかけ

自分らしくを、もっと自由に。
人々が自分の人生の選択肢を増やせるような社会を目指す、それがLivingAnywhere プロジェクト。 これまでも各地のLAC や 不定期に開催している LA Week には、制約と思っていたものを楽しそうに超えていく人々がその姿を見せてくれていました。
できる人から動いていく、そうして世の中の当たり前がいつしか今よりもっと自由に変わっていく。
そんなLAの歩みの一方で、子育てや介護といった自分以外の誰かの生活を支えている人、そこに行かないと成り立たない仕事。そして学校に通う子供たち。今はまだ自分の意思だけでAnywhereできない人たちもが、その人らしいLAを描く世の中にしていくこともスコープにしてきました。
昨年のコロナ一斉休校。「子供がいるから、学校があるから、仕事があるから」と動けなかった人が、場所という制約が和らいできた反面、子供の育ちを家庭の中だけで担うには親子ともにハードな話。そこで、まさに自分らしくをもっと自由に、を子育て世代がどうしたら踏み出せるのか。私たちが親子でLAを具体的に考えるようになりました。
そんな過程からうまれた今回の企画。親子で LivingAnywhere を形作っていきたい。その最初の一歩をみんなで一緒にトライすることで、子育て世代に共通する課題から自由になっていこう。そんなアプローチで、計画し始めました。

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どんな人たちが関わってプロジェクトが進んだか

今回の舞台は LivingAnywhere Commons八ヶ岳。前回秋の「子供と一緒にLivingAnywhere」で、コミュマネのジョニーさんが走りまわる子供の姿と、地域と関わりを深める LAC8 を重ねたところからプロジェクトは動き出します。LA星さんと私は、LAC8のプロジェクトを応援する立場から、いつの間にか子育て世代のLAチャレンジとして自分ゴトになり、「普段は大人中心のLAC8に親子がジャックする!そんなLA Weekend をしてみよう。」とプロジェクトはより具体的になっていきました。
私たちが今回のプロジェクトで目指したことは2つ。

・子供は親に連れてこられる存在ではなく、子供自身が豊かな時間を過ごせるようにしよう。そして、親は誰に遠慮することなく、LACで自分の時間を過ごそう
・地域の方、生産者さんとLAC8 を訪れる人を繋ぐ架け橋となるコンテンツとして、子供の学びプログラムをLAC8で育てていこう

そう目的をかかげたLAチームに、地域の資産を子供の学びにデザインするスペシャリスト MORIUMIUS にこそ加わっていただきたいとプロジェクトに加わっていただき、地域の農家さんも巻き込みながら子供の学びプログラムを中心に企画を詰めていきました。
当日参加された親子も、LIFULLやSonyなど、LAやMORIUMIUSの目指す世界観を以前よりご存知の方の中で、体験の中から新たな価値を作っていこうと作り手としてプロジェクトに加わってくれた10組です。そして、形になったのがこの企画。

Living Anywhere Commons 八ヶ岳 × MORIUMIUS
テーマ
・八ヶ岳を感じ、循環する暮らしを体感する。旬の食材を通じて季節と食のつながりや食材についての理解を深める
・ワーケーションとして保護者は働き、こどもは楽しく学びある時間を過ごす
参加者
  小学生以上の親子10組
期間
  2021年4月1日〜2日
スケジュール
Day1
12:30 集合「今の気持ちや自らチャレンジしたいこと」の発表
13:00 こども主導で LAC8の危険箇所、トイレ、入室可否の確認探検
13:30 モリウミアスについて。産地や生産者、ワカメについて学ぶ
13:45 わかめプログラム
   ワカメを捌く、しゃぶしゃぶ用に調理、そして試食。
   ※包丁の使い方、置き方なども学ぶ。
14:45 片づけ、休憩(自由時間)
15:30 外探検~燃料集め~
   LAC8周辺、今日の行動エリアの確認。そして「乾いてる木を探す」
16:00 飯盒炊飯
   焚き火台を”あるもの”でつくる。コロナ対策も踏まえた火起こし。
17:00 休憩&入浴
18:00 交流会(MORIUMIUSシェフによるスペシャルディナー)
   参加してくれている地域の養鶏家さん、農家さんの話を聞きながら
   子どもたち同士の交流、親や地域のみなさんとの交流
Day2
 9:00「親子フィールドワーク」 の説明
 9:15 山散策
   LAC8の敷地裏にある山を親子で散策
   五感タイム
   目を閉じて、聴覚に集中する。嗅覚に集中する。
   お互いの発見をシェアする。
 9:45 落ち葉集め
        コンポストに使う落ち葉を袋いっぱいに親子で集める。
10:45 コンポストづくり
   2日間で出た生ごみや落ち葉を使って、コンポストを作る。
   サステナブルな暮らしについて親子で考え、養鶏家さんから実際の
   活用についてレクチャーを受ける。
11:00 片づけ
11:30 振り返り。親と子にわかれて振り返りを行う。

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実際の2日間をご紹

LAなトラベルライターさんが、私たちの過ごした2日間をレポートしてくれています。親子LivingAnywhereにすれ違った大人が、こう感じてくれたんだと嬉しく感じたレポートです、ぜひご覧ください!

【イベントレポート】LivingAnywhere Commons 八ヶ岳北杜×モリウミアス / 食育&ワーケーションイベント
https://note.com/lacommons/n/nad9fccf18289

子ども振り返りレポート

子供たちが絵や文字で2日間を表現しています。その中から2人のレポートをご紹介します。

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親の振り返りレポート

LACが大切にしていることの1つに、LACの利用メンバーは「生産消費者(プロシューマー)」であること、があります。今回は参加者でありつつ、LACという場を使って自らも企画をつくるメンバーである、ということをご理解いただきながら、今回の企画に協力いただきました。
今回は、みんなが手探りでトライアル企画を行いましたが、今後どうすればプログラムがより良いものになるかという視点で、課題や今後のプログラムのあり方などについて、企画に参加した「お父さん・お母さん」からのフィードバックコメントを、一部抜粋してご紹介します。

・モリウミアスのプログラムは、親と離れた環境のなかで地域や循環、他の子どもたちと関わることで子どもたちが成長することに価値があります。一方で、LACには親を含め、様々な大人がいる環境があります。LACとモリウミアスがLACのフィールドで、親子で来る人たちにプログラムを共創するならば、私は仕事さえガッツリできれば夜は一緒でもいいです。せっかく旅に出てるので非日常を一緒に楽しみたいとおもいました。
・前提として、今回、初めての企画なので、当たり前だと感じてますし、本当に感謝しています。保育/託児ではないとわかっていますが、ワーケーションできている以上「ワーク」の時間も重要です。子どもの年齢にもよるかとは思いますが、子どもの自由時間や入浴時の大人の役割分担が気になりました。 その他子どもの安全確保だけでなく後片付けなど一部の方に偏っていた場合もありました。事前にプログラム外の空き時間の子守担当を決めておくことや、その他大人の手が必要な箇所は予め担当を決めておくことで不平等さを感じたり、逆にやってもらって申し訳ないと思うことも軽減できそうです。

事務局としての私のふりかえり

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親が仕事をしている間の子供の過ごし方、それを同じ課題を持っている家族共同で解決していこうというスタート地点でもあった今回の企画。実際に体験した後には、課題解決された状態とは全く違う未来がみえてきました。

参加者からいただいたフィードバックは、親のワークタイムの質をどう高めていくか?という視点に多くよっていました。仕事に真摯に向き合う中でその時間を確保するだけでなく、1人の個として納得できる状態でありたい、という親子でいる時の重要なテーマがそこにあると改めて感じます。
保育園や学校は長時間、保育と学びの両立がされ、私たちは制約と言いながらもその機能をフルに使いこなしている状態であったことも同時に気づかされました。
「親子でLA」は、そのフルサポートの状態を持ちつつも、自らそうではない時間を選択することもふまえ、親子でいるからこそ触れられる価値観に目をむけるようにしたいと気づきました。

「親子でLA」によって、子供たちの未来が拓けるきっかけにしていきたい。地域の自然や営みから多くのことを学び、未来に進む子供の姿に、親も奮起するような新しい親子の時間をLAでは実践していきたい。
子供たちが自然や地域の営みから多くのことを学ぶことために、親は引っ張られるようにいろいろな地域を訪れる。そうした地域の回遊が日本中にうまれるのも、LAのもたらす多様性にしていきたいと今回の企画と通じて、私は気づきを得ました。

そのためにも、1人ではなく、こうした企画という形で一緒にチャレンジする機会をこれからもかんがえていきたいです。

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