香川県に来られる方に伝えたい。 釜玉うどん?違います! 地元民おすすめ「至極の讃岐うどん」
讃岐うどん=釜玉うどん?
長かったコロナ自粛が明け、僕の地元、讃岐「香川県」にもたくさんの旅行者が来てくれています。
香川県に旅行に行く目的のひとつ、いやその為に香川県に行くという方もいらっしゃるくらい有名になった「讃岐うどん」。
いやしかし、少しお待ちください。
「讃岐うどん=釜玉うどん」と思っている方、いませんか?
確かに、ネット、雑誌、旅行本などのメディアでは讃岐うどんのメインビジュアルに釜玉うどんの写真を使っているものが多数あります。
なんせ、釜玉うどんは写真映えしますもんね。
(なんなら香川県にはカマタマーレ讃岐なるプロサッカーチームまであります。ちなみにチームのエンブレムは釜玉うどん。)
揚げたての白い麺。
その上には黄金色に輝く生卵。
パラパラと振りかけられた鮮やかな緑色のネギ。
そこに上から注ぎかけられるお醤油の色。
食欲をそそります。
間違いなく美味しそうです。
いや、美味しいのです。
食べてみれば確かに旨い。
揚げたてのもちもちとしたコシのある麺に生卵の旨味、お店によっては出汁醤油だったり、生醤油だったり、はたまた普通の醤油だったり。
香川に来られた方に一度は食べてみてもらいたいとは思います。
ただ、お伝えしたいのは「それは讃岐うどんのごく一部」。
なんなら、香川県民、讃岐人にとっては亜流というと言い過ぎか?
讃岐人からすれば旅行者らしき方々がうどん屋さんで釜玉うどんばかり注文している光景には忸怩たる思いがあるのです。
正直、讃岐人の大半は釜玉うどんを食べないのです(いやもちろん好きで釜玉うどんばかり食べる人もいますけど)。
なぜなら他にも美味しいうどんがたくさんあるからなのです!
なので、旅行者と思しき人たちの「釜玉うどん」コールを聞くたびに
「それじゃない!」
「このお店の本当に美味しいうどんは釜玉うどんじゃない!」
心の中ではそう叫んでいるのです。
店ごとの「おすすめ讃岐うどん」がある!
香川県民は本当にうどんをよく食べます。
安いから、うまいから、さっと入ってさっと食べられるから。
その理由は様々です。週3はうどん、週4はうどんなんて人はざらにいます。
好きな人は毎日食べても飽きないという人まで。
そんなうどん好きな香川県民ですが、お気に入りのお店はいくつかあるといった人がほとんどです。
かけうどんを食べるならここ、ざるうどんならここ、かまあげうどんなら、ぶっかけうどんならここ等々。
逆に言えば「このお店で食べるならこのうどん」そんなおすすめうどんがあるのです。もちろんこのお店では釜玉うどんがおすすめ、でもこっちのお店ならこのうどん。どのお店に行っても釜玉うどんではないのです。
そんなうどん好きの香川県民が教える、メニューごとのおすすめ讃岐うどん店。ぜひ香川県に来られた際には参考にして、讃岐うどんをご堪能ください。
讃岐うどんのスタンダード「かけうどん」
讃岐人が良く食べる人気No1の「かけうどん」
暑い夏には麺を湯がかず、麺はそのまま。
お店によっては「ひやあつ」なんて呼んだりします。
ひやあつとは、麺が冷たい(冷や)、ダシが(熱い)状態なので「ひやあつ」。
寒い冬には「あつあつ」とも呼ばれるスタンダードな、麺もダシも温かいかけうどん。
もっとも、暑い夏にもひやあつではなく、あつあつのスタンダードなかけうどんを食べたりもします。
そんな「かけうどん」がおいしいおすすめのお店ははこちら!
がもう うどん 香川県坂出市
朝8時30分の開店から地元民、県外客問わず行列ができる「がもううどん」。
注文をすると麺の入った丼を渡され天ぷらや揚げなどのトッピングを選んでお会計。店の奥に進むと熱いダシや冷たいダシ、ネギなどが置いてあるので自分でのせます。
お店の中にはテーブル席が用意されていますが、すぐに一杯になってしまうのでうどんをもって外に。外にあるベンチに座っていただきます。
なめらかなのどごしのもちっとした食感の中にある確かなコシ。
ダシはイリコでしっかりととられており、香りも味も讃岐最高峰。
あっという間に食べ終わってしまいます。
駐車場の端にはお土産うどんの売り場があります。
中村うどん 香川県丸亀市
香川県丸亀市には中村うどんが2件あります。
今回ご紹介するのは丸亀市土器町にある中村うどんさん。
こちらのお店でうどんを食べていると、県外からのお客さんとおぼしき方から釜玉うどんの注文が良く聞こえてきます。
「ちょっとまって!こちらのお店は釜玉じゃないっ!」
そう口にしそうになることがしばしば。
地元民の僕からお勧めするのは「かけ」。それも普通のかけうどんではありません。
その名も「釜かけ」。
聞き馴染みのない名前かもしれませんが、地元のうどん通は釜かけうどんを注文する人もたくさんいます。
釜から揚げたての熱々の麺にかけダシをかけていただきます。
茹でた麺を水でしめていないのでもちっとした食感がたまりません。
また丁寧にとられたダシのイリコの香りが食欲をそそります。
ダシまで飲み干してしまう方も多数。
そしてこちらのお店で忘れてはいけないものがもうひとつ。
ちくわの天ぷら。カリッとした食感のちくわの天ぷらは釜かけにぴったり。好きな方は1人で2本食べてしまう事も。釜かけうどんとセットでいただくことをおすすめします。
こちらのお店はホームページから生うどんとつゆがセットになった商品を購入できます。遠方でなかなか来られないといった方は、通信販売でどうぞ
不動の人気No2「ぶっかけうどん」
かけうどんに次ぐ人気を誇るぶっかけうどん。ぶっかけうどんの方が好きという人もたくさんいます。
ぶっかけうどんとは、冷水でしめた麺に濃い目のダシをかけていただく讃岐ならでは食べ方です。
山下うどん 香川県善通寺市
ぶっかけうどん発祥のお店と言われる香川県善通寺市にある山下うどん。
地元民なら間違いなくぶっかけうどんを注文します。
少し強めのコシにイリコのダシの濃い目のダシ。
そこにレモンを絞っていただきます。
こちらの麺は剛麺や男麺と言われたりします。
剛や男の文字から想像できるように、コシが抜群に強い麺。
讃岐うどんの中でもトップ3には入るのではないでしょうか。
そのコシの強い麺をレモンのさわやかな酸味のきいたぶっかけダシでいただくと、これぞ讃岐うどんの本髄と感じていただけると思います。
上田うどん店 香川県丸亀市
香川県で1番細いともいわれる麺。しかし、ひと口すすってみるとそのコシの強さに驚きます。注文が入ってから茹でられる強くしなやかでコシの強い細麺に自家製かえしを使った少し甘めのダシがかけられています。そして丼のふちには、わさび。
甘めのダシにわさびをとかしていただきます。
こちらのぶっかけうどんを食べる為だけに、県外からくるリピーターの方もいるくらい甘辛の味は中毒性のあるぶっかけうどん専門店ならではのうどんです。注文を受けてから麺を湯がくので少し時間がかかりますが、そのぶん茹でたて・しめたてのコシの強い美味しい麺がいただけます。
こちらのお店のホームページから生うどんとぶっかけ用のダシがセットになった商品を通信販売で購入できます。生うどんとダシがセットになっているのでお店の味そのままで楽しめます。香川に来る時間がないといった方にはおすすめです!
暑い夏にぴったり 「ざるうどん」
うだるような暑さの日にも讃岐人はうどんを食べます。
そんな日によく食べられるのはざるうどん。
茹でた麺を冷水でしめ、付けだしにつけてすする。
そんなざるうどんがおすすめなのはこちら。
はりや 香川県高松市
お店の前には大行列。
休日には県外客。平日には地元民。
ようやくお店の前までたどり着いた方思えば、お店の中にも行列が。
免許センターの近くという事もあり免許の更新のついでにといった地元民も多数。こちらのざるうどんの特徴は茹でたてをしめた、コシの強い麺と甘めの付けダシ。そして、量の多さ。大を頼むと男性でも食べきるとおなかパンパンになります。
人気メニューのかしわ天(鶏天)ざる、イカ天ざるは特におすすめです。
注文が入ってから茹でられる麺、揚げられる天ぷら、出来立ての美味さは何物にも代えられません。
暑い夏にも寒い冬にも 「釜揚げうどん」
寒い冬になると讃岐の地元民は釜揚げうどんを注文する方が増えます。
釜から揚げたての熱々の麺をこれまた熱々のつけダシでいただく。
つけダシには胡麻、ネギ、そして生姜。
食べ終わるころには身体がポカポカ。
その美味さにすっかり魅了されてしまい、うだるような暑い夏にも注文する人も。
それぐらい香川県民に愛されている釜揚げうどんのおすすめのお店はこちら。
ジャンボうどん高木 香川県善通寺市
お店の前の駐車場は常連客の車でいっぱい。そのわきに建てられた大きな看板には「2杯喰い逃げOK」の文字がでかでかと書かれています。
これは釜揚げうどんジャンボ(4玉)2杯を制限時間内に食べきればその日のお会計は無料のシステム!
いやさすがにジャンボ(4玉)×2杯の8玉は無理だろうと思えば、店内には挑戦成功者の名前の入った張り紙がずらり。
そう、こちらの釜揚げうどんは8玉を食べきる人がでてしまうくらい美味しいのです。
釜で揚げたての麺は、ぷりぷりとした食感の中にもしっかりとしたコシ。
イリコや昆布、削り節などの香りが豊かに広がるつけダシ。
小なんか注文してもあっという間に食べきってしまいます。
香川県には釜揚げうどんの有名店がいくつかありますが、地元民にはこちらが人気。隠れた名店です!
讃岐人のおやつ 「醬油うどん」
讃岐人はおやつの時間もうどん。
うどん玉に醤油をかけただけのシンプルなうどん。
薬味はネギ、すり胡麻、お店によっては大根おろしが付いてくるところも。
レモンをきゅっと絞ればさらに美味しさが増します。
シンプルなだけにうどんの麺自体の味がダイレクトに伝わってきます。
僕も子どもの頃に自宅でおやつ代わりに醤油うどんを食べてた記憶があります。
歩(あゆみ) 香川県丸亀市
こちらのお店は地元民で大行列。
日曜・祝日だろうが平日だろうが行列の絶えない大人気店。
ここ数年はとうとう県外の方にもその存在が知られてしまい、さらに行列が伸びてしまいました。
その理由は単純明快。どのメニューを頼んでも美味い。これにつきます。
その中でも今回おすすめするのが醤油うどん。
歩(あゆみ)の醤油うどんは麵がうまい。醤油がうまい。全て美味いのです。シンプルなだけにお店の技量があらわになります。
みんな大好き 肉系うどん
子どもから大人まで、男性も女性も、まさに老若男女に人気の肉系うどん。
讃岐うどんには肉系うどんのイメージが無いかもしれませんが、讃岐うどんでも肉系メニューは人気があります。
しかし、肉系うどんと言ってもどこのお店でも美味しいというわけではありません。
肉の美味さ、うどんとのバランス。
それぞれに気を配って作られた肉系うどんの名店をご紹介いたします。
綿谷(わたや) 香川県丸亀市
肉ぶっかけ。これ一杯で香川を代表するうどん店まで上りつめた名店。
もちろん、かけうどんや釜揚げうどん、ざるうどん、醤油うどんなど一般的なメニューも取り揃えています。
しかし、このお店でオーダーされるメニューは、豚肉ぶっかけ、牛肉ぶっかけの違いはあれど9割方この肉ぶっかけ。
いつもお店の外には、この肉ぶっかけを求めて人々が列をなすのです。
少し太めのつるつるとした麺。柔らかく、そして甘辛く味付けされた肉。
最高の肉ぶっかけうどんが味わえるこちらのお店はおすすめです。
注意点として、こちらの普通サイズはかなりボリュームがあります。
女性の方やうどん店巡りを予定されている方にはハーフサイズもあります。
歩(あゆみ) 香川県丸亀市
醬油うどんの美味しいお店でもご紹介した、丸亀市にある「歩うどん」さん。こちらのお店は醤油うどんもお勧めなのですが、肉うどんも最高に美味しいのです。もともとうどんの麺もダシもレベルが高いこちらのお店はそのほかのメニューも美味しいのです。
甘辛く味付けされた牛肉の旨味がダシにも溶け出し細めの喉ごしのよい麺と相まってどんどんおなかに入っていきます。大きめに切られたネギと半熟卵がさらに美味しさを引き立てます。
また、こちらのお店は鍋焼きうどんも人気メニューとなっています。
最後に
以上、釜玉うどんだけじゃない讃岐うどん。
コシのある麺、イリコでとられたダシ、讃岐うどんの本当の姿をいろいろとご紹介させていただきました。
ご紹介した以外にも、カレーうどんやしっぽくうどんなんかもあったりします。
香川に来られた際には釜玉うどん以外のうどんもぜひ食べてみてください。
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