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読書メモ:ゲーム理論入門の入門

基本情報

『ゲーム理論入門の入門』
鎌田雄一郎
2019年4月19日発行

大学時代の講義で「ゲーム理論」はあったもののよくわからず難しそうに感じたため、履修しなかったのだが、他の講義で「囚人のジレンマ」をならない、それ以来興味があったため手に取った一冊。


ちなみに「囚人のジレンマ」は、囚人が二人いたとし、お互い協力する方が協力しないよりもよい結果になることが分かっていても、協力しない者が利益を得る状況では互いに協力しなくなるという理論である。詳細は、以下をご参照頂きたい。

構成

第1章 ゲーム理論とはー戦略的思考の理論
第2章 ナッシュ均衡ー相手の動きを読め!
第3章 複数均衡の問題ーどのナッシュ均衡?!
第4章 非存在の問題ーナッシュ均衡がない?!
第5章 完全情報ゲームと後ろ向き帰納法ー将来のことから考える
第6章 不完全情報ゲームと完全ベイジアン均衡、そして前向き帰納法ー過去について考える

感想

入門の入門というだけに非常に読みやすく理解しやすくまとまっていた
大学の時に政治学・経済学のそれぞれ基礎科目を履修する必要があり、政治学専攻だったため、経済学は比較的単位の取りやすい科目を選んでいたが、こういう内容であれば、履修しておけばよかったと後悔した。

本書では、「ナッシュ均衡」を中心に解説がされていくが、もっと早くナッシュ均衡を勉強していたら心理ゲーム等に対して苦手意識をもたなくて済んだのではないかと思った。
ざっくり言うと相手がどう出るかを考えて、その行動に対して自分が最適な行動をとるのが「ナッシュ均衡」である。
ナッシュ均衡については、以下をご参照頂きたい。

つい先日「水曜日のダウンタウン」で「電気イスゲーム」という説(正確には説ではなかったが)をやっていたが、あのような心理ゲームの際にまさに使える考え方が「ゲーム理論」であり、場面に使えるのが「ナッシュ均衡」である。

ゲーム理論も前提には、「合理的な行動をする」ということがあり、それがゆえの単純明快さを本書の解説の中で感じることができた。(表現が難しいが、余計なことを考えなくていい気軽のようなもの)

また、以前ゴルゴ13の中で、完璧なAIを搭載した相手と一戦交える話があり、この時ゴルゴは、雨の日に意図的にたくさんの人が行き来する街中に相手を誘い込み、「不完全情報ゲーム(簡単に言うとお互いの手の内をお互い知らない状況)」状態を作り、AIに勝つ話がある。
AIは、持っている情報の中で最適な解を出すことはできるが、不確実な情報が入ると精度が落ちることを利用した戦い方)

入門の入門ということで初学者にもわかるように丁寧な説明とイメージしやすい例えで説明されており、今後もう少しゲーム理論を勉強したいと思った一冊であった。


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