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読書メモ:男尊女卑依存症社会

基本情報

『男尊女卑依存症社会』
斉藤章佳
2023年7月6日発行

現代では、以前よりも男女平等・女性活躍推進も進んでいると思うが、それでも何気ない日常の場面で、まだまだ「男尊女卑」を感じることがあり、また、私自身男尊女卑のバイアスがかかっていると反省もあり、手に取った一冊。

斉藤さんは、日本のワーカホリックは病理化はされていないが、様々な依存症に繋がるものと考えており、ご自身がワーカホリックだったご経験と実際の事例をあげて依存症の背景にワーカホリックがあったことを説明している。
そして、ワーカホリックから「仕事さえしていればほかのことは全て免責される」という日本社会特有の認知の歪みが生まれ、それが男尊女卑社会を形成していったとしている。

構成

1章 日本は男尊女卑依存症社会である
2章 男尊女卑社会とワーカホリック
3章 ワーカホリックと性別役割分業
4章 「男らしさの病」と男尊女卑依存症社会への処方箋

感想

私自身一時期ワーカホリック気味で、確かにその時は「仕事をしているから免責される」という感覚があった。そこから何かに依存するということはなかったが、この感覚で妻と育児と家事の分担で揉めたことがある。
但し、我が家では妻もフルタイム勤務だったため、この理屈は通じず冷静に話し合いをして、育児・家事を分担して現在に至っている。

本書の4章で、具体的な処方箋、対応策が示されている。内容はお読み頂きたいが、「男尊女卑」に関しても依存症から回復するステップを利用して抜け出すことが提案されている。

本書を手に取った理由に本書にも記載されているが、日本社会は今もなお男性中心に作られていると思い、少しづつ修正してきているが、まだまだ根本的には男性中心だと思う。

以前、「月曜から夜更かし」だったかと思うが、マツコさんが次のように言っていたがある。

「女性が男性に合わせることなくいられることが本当の男女平等」

とおっしゃっていて、すごく納得したことがある。

少し前に小学校6年生の娘がテレビを見ていて、どこかの町長がセクハラをしたというニュースを見ていて、ぽつりと一言

「まだこんなことやってるの」

と言っていた。

ゆっくりかもしれないが、確実に時代は変わっており、私自身も日々アップデートして娘に呆れられないように気を付けなければと意識させられた一冊であった。


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