年を取る幸せ
傷は時間が経てば癒える。
昔喧嘩別れした友達のこと、たまに考えてしまうけど、昔ほど思い出して気付いたりはしない。
前に学校の部活やバイトで失敗してしまったことも、段々と記憶が薄れて、気にならなくなってゆく。
家族とうまく行かなくて、もやもやしてたこともお互いに長年一緒にいることで慣れてきて、心地の良い距離感を掴めるようになってきた。
年を取って物事に鈍感になったから、というのも原因の一つかもしれない。傷つくことにも慣れな気がする。一つ一つの辛い思い出が遠くなった。強くなったのか、しなやかになったのか、感受性が鈍くなったというか。
思春期は周りからどう思われるかばかり気にして、周りとの違いに悩んだり。あの子はいいな、とか考えたりしたけど。
年をとっていくことは少し寂しい。辛く悩んでいた時期も、はじめてのことばかりでキラキラして、世界や自分に期待していた時期も過ぎてしまった。
今、良くも悪くも変化はない。でも、平和だと思う。心の平穏を手に入れたと思う。
でも今あの頃に戻れる、と言われても決して戻らないと思う。今の方が穏やかな幸せがあるからだ。何より、今の自分に満足している。
こんなことがあり、年をとることが前より怖くなくなった。素敵でエレガントなおばさまやおばあさまになれる気がして、今からちょっと楽しみだ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?