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熊本の大学生によるスポーツ語り!②

こんにちは!
最近、少しずつ気温が下がってきましたね、!
寒暖差には要注意!風邪引いちゃう!
熊本の大学2年生が、「スポーツ」というものを勉強している中で率直に感じたことを
「スポーツ×○○」というテーマで気ままに論じます!
今回は、、、

スポーツ×テクノロジー!
 
テニスのラケット、陸上のシューズ、サッカーやバスケのボールetc…
最近どのスポーツにおいても、質の高い用具が使用されていますよね。これらはもともと生活用品を代用して使われていたもの達が、産業革命による技術革新と、以降の画一大量生産によってレベルの高い用具に取って変わられ、それが当たり前のように量産されています。今日では用具次第で試合の結果が決まると言っても過言では無いですが、このようなスポーツスタイルはどのように確率されてきたのでしょうか??スポーツと用具、およびテクノロジーの関係を私達がきちんと理解しておかないと、数十年後の未来にはサイボーグアスリートが誕生してしまうかも、、??(笑)


世界が工業化するまでは

 スポーツの誕生はまだ文化が興る前、狩猟時代にまで遡ると言われていますが、当時はもちろん今のように工業製品が生活に溶け込んでいたわけがありませんから、私達が使っているようなスポーツ用具は存在しないわけです。では、当時~社会が工業化を経るまでのスポーツはどのようになっていたのでしょうか。
狩り道具で投てき
 人々が狩りをして生活をしていた時代、スポーツは、狩り以外の余暇の時間にする活動として親しまれてきました。当時はもちろん生身に武器で獲物と戦うわけですから、当然鍛え抜かれた肉体と技量が必要となります。スポーツは、本番(狩り)の前の練習、もしくはそれの競技として行われてきました。基本的な肉体活動である「ボクシング」や「レスリング」をしたり、「ヤリ」で投てきをしたり、あるいは「弓矢」の技量を競いあったり。つまり当時のスポーツでいう「用具」は、「狩猟に使う道具」または「身体」そのものであったと言えるでしょう。これはやはり「狩猟」が中心の生活スタイルで、獲物が捕れなければ餓死、獲物を捕る最中に事故や、あるいは逆に狩られても死に直結する当時ならではの文化であると感じます。
効率的に生活をし始めた時代
 その後、人々は知恵を付け、農業または畜産という形で「狩る」から「つくる」にシフトチェンジをしていきます。そうなるともちろん、「狩り」というものと密接に関係していたスポーツも様相を変えていく、、と思いきや!スポーツの種目や内容は異なっていたかもしれませんが、「身体を鍛える」という点では、この時代は何も変化を遂げませんでした。理由は至ってシンプルです。「つくる」ということは、それに伴って「蓄える」という工程も生まれてきます。このとき、地域間ではしばしばこの「蓄え」を巡って、争いが起こっていたのです。今だってそうですが、どの国にも天候などの影響を受けて農作物が全く取れない時期、または地域があります。「狩る」から「つくる」にシフトしたのはもちろん作業効率の向上と安定的な食料調達のためですが、それすらできないのなら誰かから「奪う」しかないのです。そのほかにも当時は権力争いと領地拡大がブームでしたので、そのときの争い、つまり戦争の為に、当時の人々は身体を鍛える必要がありました。その手段として、スポーツが活用されていたのです。
 といっても、全く何の変化も遂げなかった訳ではありません。「つくる」時代では、スポーツの用具は「日用品や日用廃棄物」が使われていました。例えば「サッカー」のボールは、はじめ肉屋で余って廃棄される豚の膀胱を蹴って行われていたといわれています。ここには、狩りの時代から抜け出し、人々が少しでもスポーツを「コンテンツ」という観点で発展させようとした努力が見受けられます。「身体を鍛える」ということに重きが置かれ、相対的に用具にあまり注意が払われなかったとはいえ、スポーツ全体の歴史としてみれば、この時代は道具の観点で現代スポーツに大きく近づいたといえるでしょう。
スポーツと用具の高度化
 その後は古代から中世にかけて争いも少しずつ減り、スポーツも「肉体的育成」という観点が弱まって相対的に「遊戯」としての要素をだんだん強めて行きました。テニスなどを始めたくさんのスポーツが誕生するとともに、それらのプレイクオリティの高度化に伴って用具も確立され、技術も高度化していくわけですが、当時は現代のように全く同じ製品を大量に生産するなんて考え方は当時にはありません。だからこそ、当時の人々は自分が最も使いやすいと思う用具を、自分で作るか、またはプロの作り手にお願いをして、使用していたのです。まあこのときにはすでに用具は試合の勝ち負けに直結するものでしたでしょうから、もちろんそれぞれのプレイヤーにフィットするものを作って使うのが妥当な考え方です。このようにして、狩猟時代では狩猟の道具、または自分自身を、「つくる」時代では日用品や廃棄物を、古代~中世にかけてはプレイヤーにフィットする用具を自分で作るかプロに頼むかして、使用し、スポーツに取り組んできたのです。

産業革命による用具の革命

中世から近代にかけて、スポーツの用具は大きな転換点を迎えます。
 当時、ヨーロッパを中心とする先進国では圧倒的な技術革新が起こります。機械工業の発達によってそれまで手作りしていたものを機械で画一的に大量生産することが出来るようになり、用具のクオリティも手作りの時代とは比べものにならない程、瞬く間に向上してしまったのです。
 これによって何が起こるかというと、急速的に、質の良すぎる用具ばかりがスポーツ競技会に出回ることとなります。これが実はまずかったのです。何がまずかったか、ポイントは当時の「アマチュアリズム」の考え方とプレイヤー層です。
 この時代、スポーツは民衆にとって一般的な活動になっていました。スポーツは「遊戯性」「競技性」「肉体的活動」の三要素から構成されていると言われますが、この時代は特に「遊戯性」や「競技性」が発達し、より面白い条件下で多くの人がフェアに楽しめるように「ルール」が設定されたり、それらをもとに、「プロ」として競技に本気で取り組むプレイヤーも現れ始めたのです。ここに反するようにして現れたのは、ブルジョアジーが唱えた「アマチュアリズム」という考えです。彼らは、「スポーツにプロが存在してはならない。それは、誰もが楽しくスポーツを享受できるとする本来のスポーツ精神に反している。スポーツは余暇の活動としてすべきだ」と口々に唱え、多くの下流階級の人々をスポーツから追い出したのです。綺麗なお題目を並べているように見えますが、実際にはプロとして強くなりすぎた自分より下の階級の人達に負けるのが怖かったのだと思います。
 話は戻って、実は用具の発達もこのアマチュアリズムに関係をしています。当然、安価で質の良い用具が出回れば、下流階級の人達もそれに手を出してしまい、自分達貴族のスポーツにおける優位性が瓦解してしまいますよね。つまり用具の発達も、アマチュアリズム誕生に一役買っている訳です。こういった具合にスポーツは、用具の発達とともに上流階級の人々だけがたしなむことのできる遊戯へと変化してしまったのでした。

現代のスポーツテクノロジー

とっても長くなりましたが、こういった具合でスポーツの用具は変化を遂げて、現代に至ります。テーマとは裏腹に一部の上流階級のみが楽しめる「アマチュアリズム」としてのスポーツは時代の変遷ととともに崩れていき、今やプロスポーツこそ至上とされる時代になりましたね。色々な思いはあるにせよ、中世や近代に比べて性別的にも階級的にも全ての人がスポーツに取り組める環境が整い、それが拍車をかけるようにスポーツ用具も進化を遂げていったのです。今や真にスポーツの用具がスポーツの勝敗に直結する時代、それまでの「自分にあった用具を使う」という様相も少し変化し、「世界的に流通する高質の用具」に、スポーツ選手が自らを合わせに行っているといっても過言ではないでしょう。超軽量のラケット、脚が速くなるシューズ、空気抵抗を限りなくゼロにするウェアetc…まるでスポーツ選手を置いていくかのように進化を続けるこれらの用具を持ち、使いこなす財力と技術も今のスポーツには必要であるといえます。

スポーツと用具の付き合い方

 ではまたもや最後に、皆さんと一緒に考えたいこと問題を提起して終わりにしたいと思います。
上述したようにスポーツの用具は進化を遂げているのですが、スポーツをスポーツたらしめる要素は「遊戯性」「競技性」「肉体的活動性」の3つです。このことから判断すると、スポーツ用具は「遊戯性」や「競技性」を高めるツールであると言え、極論「無くてもスポーツとしては成り立つ」のです。スポーツの本質を何とするかは人それぞれですが、スポーツは最小限の会話でコミュニケーションがとれるインクルーシブなツールですし、ホイジンガも言ったように本来は「遊ぶ」ための手段といえます。私達がただ楽しみたいために取り組むスポーツに、先進「すぎる」用具が入り込むことによって本質を履き違えてしまうことは避けたいなぁ、と思います。
 用具と密接に関わるパラスポーツにおいては、義足で走り幅跳び競技に取り組む選手が、最先端義足によって健常者の走り幅跳びの記録を大幅に更新する記録を打ち出したことが問題視され、大会への出場が禁止されたケースが過去にありました。この問題をどう捉えるかは人それぞれですが、今は選手と用具がもはや「一体化」しているのがスポーツの特徴です。私達が取り組みたいスポーツに何の制限もなく、また何の偏りもなく取り組めるよう、用具との付き合い方は考えて行きたいですね!
 とまあ最後は少し雑になりましたが!見て頂ける人にも是非考えて頂きたいトピックですので、ぜひぜひお暇なときに「スポーツの用具ってなんだろう、」ってちょっと考えてみてください!!
 ではまた次の投稿で!


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