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観察と洞察にまつわる話

私は幼少期から人間観察が好きな子どもだった。

家族はもちろん、電車で学校へ行くときもよく暇さえあれば周りの人を見ていた。

たとえば、電車での風景だと、がっつりメイクをして、これでもないくらい最大級のオシャレをしている人はこれから初デートかなとか。

20代くらいの男子2人が酔いながら、帰りの電車で、別れたい彼女へのメールの取説をもう1人のちょっと賢そうな男子がしていた。見た目は韓国アイドル風の髪型で綺麗めのチェスターコートを着ている彼が、「こう伝えたら、今はキレるだろうから、その内容はちょっと置いて、明日送るべきだよ」とか。アドバイスを受けてるロン毛はあたふたしていて、なんとも言えない雰囲気だった。まだ彼らは20代半ば、これから色んな人と付き合うだろうし、結婚や離婚や色んな経験をするだろう。「ひとまず頑張れロン毛!」と思いながら私は電車を降りた。

コロナ禍では、だいたいマスクでその人の性格がなんとなくわかるようになった。
グレーや黒いマスクは、強気な発言が多いオラオラ系の人が多く、ちょっと鍛えていたり、肉食系。ピンクのマスクは、コンサバ系女子で服代よりコスメ代や美容代やおしゃれなカフェ活動に費やしてる系。個人的には、白い普通の不織布マスクの人が、一番シンプルな性格なのかなと思っている。顔につけるものを、極力シンプルに消耗品として考えているから、普通で良いよねっていう考えに賛成である。
だから、白いマスクをしてる人とは仲良くなれそうと思って、話すと不思議と自然と合うのだ。

人間観察は接客業をしていた頃にも、役に立った。あの人はこんなヘアースタイルや身なりをしてるから、あれが好きそうだなとかどういうカルチャーが好きそうだなとかである。パッと見て、直感でわかるようになった。

気配で、この人は話しかけられるの苦手そうやアクティブそうとかで、接客のアプローチ方法を変えたりしていた。
消極的そうな人には、極力ナチュラルに距離をとって、話しかけて、商品の話よりその人が身につけてる良いなと思う物について褒めたりする。
そうすると、相手も服を売られるというプレッシャーの壁を取り払ってくれたりする。
細やかな配慮をするのは、自分の中での相手へ土足で踏み込まないけど、初対面でも信頼してほしいという気持ちだったりする。

単価が高い商品のお店だったので、目を合わせて、接客すると本気圧が強いので、よく斜め上を見ながら本音で接客すると不思議と買い上げにつながるパターンが続いた。
私が斜め上見て接客すると、何十万が買上げにつながるあるある現象が同僚間で広まった。あとはたわいもない会話のコミュニケーションが大切だと思っていて、そういう地道なやりとりが積み重ねられていくことも接客業で学んだ。

人間観察について書いたのだが、洞察力についても書いてみたいと思う。

数年前までは、明るそうな人は明るい人ていうようなわかりやすい部分でしか人を見れなかった。
でも、離婚を経験したことで、その人の本質的な部分が何となく初見でわかるようになった。

プライドが高い人は本当は怖がりだったり、優しい人は他人に本音を言えなくて、自分の中で溜め込んでいたり、怖い人は心を許した人には愛嬌があったり。この人はこういう人だから、表層的な部分で簡単に決めつけるのではなくて、その人のもっと深く知っていくべきだと思ったりする。

職場、友人、家族、身の回りの人が、この人はこういう人っていうイメージがあるけれど、イメージの向こう側に違う本質が隠されている。
隠された部分も知っていきたいという考えはこれからも大切にしたいなと思う。

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