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[連載小説]第二十四話 / 犬だけど何?野良犬の俺がホームレスのアイツと出会ってすみかをゲットする話 / 第五章スカイドッグスター⭐️運命の出会い

第五章スカイドッグスター⭐️運命の出会い


前回の話はこちら



ここまでのあらすじ

元捨て犬のビーグル犬『イヌ』は、飼い主のばあちゃんが心臓の発作で倒れ野良犬になった。
歌手の夢を持つホームレス青年ソラと出会い意気投合し、バディとなった。
やがて寅造とともにホームレス生活から再スタート。
老健施設の歌のイベントの後、イヌは健太、ばあちゃんと涙の再会を果たす。

ソラ、健太、イヌはバンド『スカイドッグスター』を結成し、
SNSに動画をアップ。
動画撮影では、オヤジバンドの応援も。
スカイドッグスターは、井の頭公園で路上ライブ活動を始めた。
犬仲間の声掛けで観客も少しずつ増えた。イヌはプードルのバニラちゃんに恋をしたが初雪の日、イヌの初恋は雪とともに消えた。 
帰ろうとした時、誰かに呼び止められた。


第二十四話 スカイドッグスター⭐️楽曲制作 
宇宙ファンタジー
『隣の星のお姫様リルラ』

「寅造じいちゃん!!ビッグニュース!今日、俺たち、アニメの主題歌を頼まれたんだ!!」
「えー!!すごいじゃねーか!良かったなー」
「寅造じいちゃん、泣いてるの?」
「いや、ちっとゴミが入っただけだ」

寅造じいちゃん…
涙もろいところ、ばあちゃんといっしょだ。
俺は最初、会った時も思ったけど、じいちゃん、見た目は怖そうだけど優しいんだ。



ここからは、ソラと健太に聞いたファンタジー小説のお話をするね。

タイトルは、宇宙ファンタジー
『隣の星のお姫様リルラ』

隣の星のお姫様と地球の少年の恋物語なんだ。
隣の星と言ったって遠いよ。
名前もややこしい。

その星の名前にケンタが入っている。
その作家さん、そこから発想したんだって。
「どゆこと?」



主人公は犬を飼っている少年ケンタ。迷子になった愛犬を探し回っていた時に、愛犬が迷い込んだ森の中に不時着した宇宙船を発見。
その宇宙船に乗っていたのがリルラ姫。
ケンタはリルラ姫を救出し、おばあちゃんと一緒に手当てをした。

地球で食べられるものは限られる。その食べ物は、犬の鼻で嗅ぎ分けることが出来た。ケンタとイヌは、一生懸命、食べ物になるものを探してあげた。
地球のあちこちを案内もした。ケンタとリルラは仲良くなっていく。

友だちのソラ、工場で働く寅造じいちゃんの協力で壊れた宇宙船を修理。
宇宙船がなおって隣の星に帰れることになったプリンセス。
その星は遠い。
大好きなケンタとも会えなくなる。
ここで会った人たちにも…と悲しむリルラ…。

そんな時、故郷の星からの知らせが届いた。
国王が倒れたから、星に帰って欲しいという知らせだった。
別れを惜しみながらも、宇宙船に乗り込んで帰ってしまったリルラ姫。

ケンタは宇宙工学を学ぶ友達の協力で、地球と隣の星を旅するルートを開発した。
仲間ソラ・イヌも力を合わせて宇宙船を完成させた。

やがて三人は、リルラ姫の星に会いに行くという冒険ファンタジーだ。

ザッとこんな話。



俺たちは、そのファンタジーの世界観に合った楽曲制作に取り組むことを決意した。
早速、作家さんに「お受けします!」と感謝の返信をした。

作詞はソラ、作曲は健太がすることに。
原案をガレージで、寅造じいちゃんや源じいちゃんにも見てもらった。
そこに秀樹さんがやってきた。
「話は聞いたよ!すげ〜な。びっくりしたよ」
「ありがとうございます!原案を見てもらえますか。秀樹さんの意見をお聞かせください」

秀樹さんは、楽譜を見て言った。
「いいじゃない。細かいところは別として、すごくいいよ。君たちらしくてさ。ただ、この部分は、こうしたらどうかな?」

そんなふうにして楽曲制作は進んだ。

「完成!!」
「やったー」

来週末、いつものメンバーの前で演奏することになった。
演奏は、寅造じいちゃんたちのバンドが応援してくれることになった。
初めての合同ライブだ!

第二十五話に続く


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