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\公務員が一般社団法人を設立するには③/

前回は、「法人の種類と違い」について説明しました。
今回は、「一般社団法人の設立手続き」について説明します。

法務省HP『一般社団法人及び一般財団法人制度Q&A』によると、次のとおり説明されています。

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Q2 一般社団法人を設立する方法を簡単に説明して下さい。
A2 一般社団法人を設立する際の手続の流れは,次のとおりです。なお,(1)及び(2)は設立時社員(法人成立後最初の社員となる者2名以上)が行います。

(1) 定款を作成し,公証人の認証を受ける。
(2) 設立時理事(設立時監事や設立時会計監査人を置く場合は,これらの者も)の選任を行う。
(3) 設立時理事(設立時監事が置かれている場合は,その者も)が,設立手続の調査を行う。
(4) 法人を代表すべき者(設立時理事又は設立時代表理事)が,法定の期限内に,主たる事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局に設立の登記の申請を行う。
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ここにあるとおり、大きく分けて、①定款作成、②公証人の認証、③設立手続き調査、④設立登記の4つの手続きが必要になります。

それぞれ概要を説明します。
①定款作成については、次の3点に注意が必要です。

・必ず記載する必要がある絶対的記載事項が「目的」「名称」「主たる事務所の所在地」「設立時社員の氏名又は名称及び住所」「社員の資格の得喪に関する規定」「公告方法」「事業年度」の7つあること。

・記載しないと効力が生じない相対的記載事項として、「理事会等の機関の設置」や「基金に関する定め」などがあること。

・記載しても効力が生じない事項として、「社員に剰余金又は残余財産の分配を受ける権利を与える旨」「法の規定により社員総会の決議を必要とする事項について,理事,理事会その他の社員総会以外の機関が決定することができる旨」「社員総会において決議をする事項の全部につき社員が議決権を行使することができない旨」の3つがあること。

また、後述する登記申請の添付資料を減らすため、「主たる事務所の所在地(地番まで)」と「設立時理事」についても記載することをお勧めします。

さらに、「基金」については、定款に記載しておかないと活用できないので、とりあえず記載しておくといいでしょう。

「基金」について補足します。
法務省HP『一般社団法人及び一般財団法人制度Q&A』によると、次のとおり説明されています。

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 「基金」とは,一般社団法人に拠出された金銭その他の財産であって…〈省略〉…返還義務を負うものとされています。基金は,一種の外部負債であり,基金の拠出者の地位は,一般社団法人の社員たる地位とは結び付いていません。…〈省略〉…基金制度は,剰余金の分配を目的としないという一般社団法人の基本的性格を維持しつつ,その活動の原資となる資金を調達し,その財産的基礎の維持を図るための制度です。…〈省略〉…また,基金として集めた金銭等の使途に法令上の制限はなく,一般社団法人の活動の原資として自由に活用することができます。
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このように、拠出する側の視点に立った場合、いずれ返還されるので拠出しやすいため、資金調達の手段として有効と考えられます。
また、社員たる地位とは結び付かないという点も、経営の自由度が保たれるのでメリットになりますね。

以上で、①定款作成についての説明を終わります。
次回は、②公証人の認証、③設立手続き調査について、解説します。

〈公務員が一般社団法人を設立するには④に続く〉

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