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初めての海外留学ー初っ端から大災害

 どこかで誰かが言っていた。
苦境に立たされた時は「第一章終わり」と言え。
なぜなら物語の第一章で、大抵主人公はピンチにさせられるのだからと。

はじめに:海外留学したい

皆さんこんにちは。マルメロです。
大学生といえば海外留学。主の大学の性質上交換留学で4年ストレート卒業する学生だけでなく、休学留学で学年がずれる学生も多数存在します。
この私も一度は海外経験を積みたいということで、1年の頃からぼんやり留学のことを考えていました。ところがこの2年と1か月で大混乱、やむなく方針転換することとなりました。

1年冬、例の件でロシア行き断念

 大学3年の秋からロシアに交換留学に行こうと、1年生の頃は思っていました。交換留学が一番手続きもシンプルで、経済的負担が少なくて済むためです。専攻の語学力を活かせるという意味でも最良でした。

しかし、皆さんもニュースでご存じであろう例の事が起こってしまいました。(あまりきつい言葉を私自身も使いたくないため、やんわりした表現に敢えて替えさせていただきます。)
現地からの留学生が来れなくなってしまってやむなくオンラインに変更した、日本からの留学はオンラインのみとする、との知らせが来ました。ロシア語圏に関わる双方の留学生の計画が乱れる事態となりました。

 クレジットカードが使えなくなるわ、ビザが出なくなるわ、渡航禁止になるわで予定がおじゃんに。まあ無理やり近隣諸国に行くこともできなくはなかったのでしょうが、親に「わざわざ治安が心配な所には行かなくていいのでは」と提案され納得、ロシア行きは諦めました。

2年夏、持病発覚

 留学の話が一時期下火になった2年の夏、得体の知れない不調に苦しめられていました。

朝起きられない。
怠い。
何となくイライラしやすいし落ち込みやすい。
生理不順。

婦人科で血液検査をしたらまさかの甲状腺異常。その後専門医にかかったところバセドウ病と判明しました。その後の流れはこんな感じ。
→投薬治療開始
→始めて2週間で既に副作用の肝機能障害、投薬中止
→手術で甲状腺全摘出or放射線治療の選択を迫られる
→放射線治療後、実質橋本病と同じ状態になる
半年に1回の検査・診察・処方が必要になる
→現在、薬を飲んでいればほぼ問題なく日常生活が送れている

ちょうど今年の6月で治療を始めて1年になるのですが、この「半年に1回の検査・診察・処方が必要」という問題が、後の留学計画に大きく影響を与えます。

3年4月、東欧行き検討→断念

 2年の春から選択授業で勉強していた言語に興味を持ち、東ヨーロッパへの留学を検討していました。東ヨーロッパは比較的ロシア語と似た言語で、一部の人々には現地語に加えロシア語も通じることがあるとのこと。新しい外国語を勉強し、加えてロシア語も使えるかもしれないというチャンスに期待し準備ができる時期を待ちました。
 しかしここで問題が。現地に行ってからでないと留学先への手続きも住まいの確保もできない上、医療事情が定かでありません。少しわかるとはいえ所詮週1回の授業で2学期分しか勉強していない現地語。それで1から自分で交渉なり手続きなりをしないといけないというのはあまりに重荷でした。
如何せん私が行こうとしていた国には今まで大学から1人も留学した学生がいません。ましてバセドウ病の治療ができる病院なぞ、誰が知っているでしょう。
 この事情と不安を話すと親は東欧への留学を猛反対。
 それもそのはず、バセドウ病患者は長期間海外に行く場合絶対に現地の病院で検査と診察を受け、よほどのことがない限り決まった薬をずっと飲み続けなければなりません。それができなければ日常生活に支障をきたし得るのですから。結果、東欧行きも断念しました。
 通院も含めた日常生活が行なえるほどの運用能力がある言語。
 残された選択肢は英語圏のみになりました。

3年5月、アイルランドに決定

 何かあった時に頼れる存在、留学エージェント。
 以前大学で名前を聞いたことがあった某エージェントの相談会に行きました。これがつい2週間前くらいの出来事です。
 そこで英語圏の留学先をいくつか紹介してもらいましたが、どこも費用がべらぼうに高い。保険でカバーされない持病の治療も必要なのに、それ抜きの半年で200万…さすがに親にそこまで経済的な負担を負わせたくありませんでした。
 加えてメジャーな留学先であるアメリカやカナダ、オーストラリア等は日本人比率も多く、どんなにいい学校を選んでも日本人同士でつるんでしまう恐れがあると感じました。思い出すのは、カナダに修学旅行に行った時、現地の学生とほぼ話せないまま帰国してきたという高校1年生の苦い経験。
大学生になった今、同じ失敗で時間とお金をドブに捨てる真似はしたくない。そうなると必然的に日本人比率が少ない傾向の国を選ぶことになりました。
 物価はさておき費用が比較的安く済み、日本人比率が少ない国。
 個人的に興味があるアイリッシュハープの故郷で本物を体験したい。
 こういうわけで行先をアイルランドに決め、9月出発で準備をしている最中です。

おわりに:努力も運命も信じる

 私の家は特にこれといった宗教に入っていませんが、運命論と守り神を信じている要素があります。

「どんなに実現させたいと切に願って努力しても、
やるべき事柄と時期でなければ次々邪魔が入る。」

「逆にもし大それたことをしていないとしても、
やるべき事柄と時期であれば驚くほどスムーズに事が進展する。」

「ずっと側にいる守り神が、私たちを引き止めたり背中を押してくれたりしている。だからこのようなことが起こるのだ。」

  人事を尽くして天命を待つ、といったらいいのでしょうか。
 これから私がする努力が正しい方向なら続けるべく追い風が、
 間違った方向なら正すべく向かい風が吹きますように。
 自分に出来ることをした上で、全てがうまくいくことを今日も祈ります。

 留学開始予定まで、あと3か月と2週間。



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