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カメ吉の話②


次に兄のところを訪れたら、カメ吉が大きくなっていた。おお、カメってこんなに成長が早いのか。のそりのそりと動く様子は金魚と違っておもしろい。

どうやらクサガメという種類だと、義理姉Mちゃんに教えてもらった。

かわらず姪は指から直接ごはんをあげている。さすがにかまれるのでは?と思うけれど、姪によれば、甘噛みだからだいじょぶーとのこと。

カメ、ってこんなふうに生きてるんだー。
私は勝手に観察して、知らない世界に感動していた。


前回兄のところを訪れてから、どのくらい経っていただろう。カメ吉の水槽を見ると、姿が見当たらない。あれー?と思って近づくと、水槽の中の岩が動いた!ひゃあ!

びっくりしてよく見たら、岩じゃなくてカメ吉だった。しばらく見ない間に、カメ吉がそんなに大きくなっていた。

カメ吉はリビングの一角で飼われている。私たちの会話の中でカメ吉の話が出ると「ねー呼んだー?」と言わんばかりに動き出す。ただの偶然かもしれないけれど、カメ吉は私たちの様子をよく見ている、聞いている、と私は思う。


水槽の外から指を近づけると、カメ吉は私の指を噛むような仕草をする。ごはんがもらえると思っているみたい。

あのさカメ吉、申し訳ないんだけど、私はごはんをあげる人じゃないんだな。第一私はあなたに触れない。外から見てることしかできないよ。こうやって遊ぶことならできるけど。

しばらくするとカメ吉は、すねたように向こうに行ってしまう。ごめんよー、カメ吉。そのうち姪っ子からごはんもらえると思うからさー、いい子で待っているんだよー。

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