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明治維新と岸田政権のアナロジー

2023年12月、世間に驚くべきニュースが飛び込んだ
5年間で約5億円にのぼるという自民党のパーティ券を巡る裏金疑惑だ
このニュースは国民に大きな衝撃を与えるとともに岸田政権はかつてないほどの窮地に立たされた

マスコミなどではキックバックという言葉が一人歩きしているようにも思えるが、問題はキックバックされたものを収支報告書に記載していなかった(いわゆる裏金)ことであり、この裏側には安倍派を叩き潰すという自民党内の政争が隠されているようにも思える

それはともかくとして、バブル崩壊後の失われた30年、2022年のウクライナ戦争、そして現在の岸田政権の窮地という一連のムーブはどこか黒船が来航し、260年以上続いた江戸幕府が崩壊へと向かう明治維新とのアナロジーを感じてならない

今回は一大学生という立場ながら今回の岸田政権を取り巻く一連の動きと、今から150年前に起きた明治維新を比較しながら2024年の岸田政権の行く末を考察していきたい

この国は外圧でしか変わらない

まずこの日本国という大地には外圧でしか変わらないという不変の法則が脈動として深く根付いている

大陸から一定の距離を取った島国であることは、外国からの侵略がほとんどなかったことを意味しています。このことは、逆説的ですが、外圧によってしか日本は自国の変革を行ってこなかったという歴史によって証明されます。

本郷和人、歴史をなぜ学ぶのか、SB新書より

例を挙げるなら唐、新羅軍に大敗を喫した7世紀の白村江の戦いや12世紀、2度にわたるモンゴル軍の襲来である元寇
そして一番の代表例は19世紀に200年以上重く閉ざされた扉をようやく開くことになったペリーの黒船来航だろう

そこから瞬く間に2世紀半以上続いた徳川幕府を崩壊させ一気に近代化の道へと舵を切った明治維新
スケールの大小はあれどこの黒船来航から江戸幕府が崩壊する流れは今の窮地に追いやれた岸田政権と重なる部分が多い

まず変換を余儀なくさせる外圧部分に関しては2022年から始まるロシア×ウクライナ戦争だ
もちろん日本に物理的な侵略は起きていないものの、エネルギーや物価の高騰など経済面での影響は大きい

この外圧によって岸田政権は物価高に苦しむ国民からの反発の押さえ込みに苦労し、所得減減税に踏み切った
徳川幕府は2度のペリー来航からその後の対応をどうするかでかなりゴタゴタを繰り返したが、現在の岸田政権も所得税減税は国民からは全く評価されず、しまいには財務省から完全にはしごを外された
そのあとはご存知の通りの裏金疑惑で永田町はかつてないほどの混乱に陥っている

崩壊する江戸幕府

時代を戻す
外からの軍事的圧力によって揺らぐ江戸幕府は薩長の討幕の動きを察知し、大政奉還を行う
表向きは天皇を中心とした政治に戻すことだったが、一番は徳川家の存続だった
当時のリーダーだった徳川慶喜は政権は手放したものの、実権は手放そうとしなかった
しかし結果は家臣たちの暴走によって旧幕府軍と新政府軍の戦いが勃発
慶喜は自分の手に負えなくなり逃走し、戊辰戦争は新政府軍の勝利に終わり、薩長を中心とした新政権が日本を運営していくことになる

岸田政権、自民党の行く末は

ここまでは明治維新の振り返りを書いてきたが、果たして岸田政権、そして自民党はどうなるのだろうか
メディア上では政権交代の機運が高まったという論調も多く見られる
しかし、自民党の強さというのは与党の座ににしがみつく生命力だ
自民党は政権が窮地に追い込まれたら、容赦なく首をすり替える”擬似”政権交代で戦後から殆どの期間、与党の座を維持し続けている

おそらく自民党は状況が変わらない限り、自ら岸田政権を瓦解させこれまで通り、新たなリーダーのもとで生き延びようとするのだろう
しかし何度も同じ手が使えるとは限らない
もしかしたら自民党もかつての徳川幕府と同様に崩壊の道を辿る未来へ行き着くかもしれない

1868年からの明治維新と
2022年からの岸田政権
岸田政権、そして自民党の正念場は2024年へと持ち越された



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