見出し画像

ブラック企業ラプソディ    その5


僕が働いていたコピー機会社では

営業一人ごとに訪問するエリアが決められていた

そのエリアにある企業名と担当者などの情報が

検索できるようにシステム化されていたが

検索したところで情報はデタラメだった

僕が就職した頃の日本経済はもうガタガタで

オフィス街のビルテナントは空きテナントだらけ

情報と現実のギャップがすごいことになっていた

特に僕の担当していたエリアには

893の下請け業者が多数しのぎを
削っていらっしゃった

道を挟んであっち側が893

そしてこっち側には潰れた会社のオフィス街

元気な企業は消費者金融や闇金業社ぐらいだった

ウシジマくんの世界だ

ブラックリストで融資が通らないとかではなく

よくその事務所に入って行ったなぁオマエと

上司の元レスリング部主将もビビるぐらいの

武闘派893の三次団体組事務所が僕の担当エリアに存在していた


893だろうがなんだろうがコピー機をご購入して

いただければお客様である

プロとして分け隔てなくご対応していた

もちろんご契約いただき前金を
3割現金でお支払い頂き

残りは手形決済でお支払いして頂く契約を取り付けた僕は

翌月その事務所から手形決済不可の通知

つまり手形不渡つまり

トンズラこかれるというなんともヘビー級な大成功をおさめることとなった

つづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?