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 「世界から猫が消えたなら」 を読んで

今日は週に一度の作業日で、私は一冊の本を休憩時間に大切な友人である彼から借りた。先週、お互いに本好きだとわかって、彼が、読んでほしい本があるから、と今日持ってきてくれた本。一気に涙とともに読み終わった。来週の休憩時間に感想を述べあうことになっているが、今は読み終えてのほやほやの感想を書き留めたくて、noteを起動させた。

この本は川村元気著で、デビュー作である。難しい本ではないがとても深い本である。ぜひ、手に取って読んでいただきたいので、あらすじは書かない。まっさらな状態で読んでほしいと思う。
本当に大切なものはそれを失うぐらいならば、自分が消え去りたいと思うものたちであると、私はそんなものに出会ったことがあったろうかと、自問してみた。夫の死でさえ、我が子の命さえ失っても生きながらえている私にとって大切なものは存在するのだろうか。
記憶を辿っていく。たくさんの出会いと別れ。私は常にサムシングニューを探していたのだと気づく。新天地でも故郷でも常に新しい出会いに期待している。まだ見たことのない景色、特に心模様について、私がどう感じたかを大切にしてきたのだ。それは同時に不変であるものを探す旅でもある。
今、とても哲学や心理学の知識が欲しい。先人の考えに触れたい。
この本は読む人の一番大切なものを探す旅の指南書である。
私は私の狂ってさえ大切にしたかった、追及したかった真理、正しさというものについて、市井の中にあって、人との出会い、別れを通して一生かけて「私」という存在で表現したかったのだと今更ながらに気づいた。
この本を貸してくれた彼に感謝するとともに、大切な箇所には付箋して、何度も読み返したいので、明日早速買いに行こうと思う。
本当にお勧めの本です。