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私を化学反応させた本『取材・執筆・推敲 書く人の教科書』著者 古賀史健


1 導入

 まず、手に取っていただきたい。
 大型の書店であれば、きっと陳列されているはずなので、実際に紙の本書を手にとってみると、しっとりとしていて手に吸い付くような肌触り、その質感に驚きます。
 本の表紙には華美な装飾は一切なしで
    取材・執筆・推敲
    書く人の教科書

というシンプルなタイトルが絶妙なフォントサイズで書かれてあります。
 手に取って表紙を眺めただけで、もう心のスイッチが入る感覚が味わえます。
 この時点ですでに私はまんまと著者のねらいに誘導されているのです。
 本書を通して著者が伝えたい(と、私がかってに思っている)感情は
    ワクワクと没頭感
これに尽きます。
 読書という体験を通して、自分が変わる。
 本という媒介物によって、自分の考え方や価値観が一変する経験は、まさに化学反応といえる現象です。
 これはライターになりたい人だけが読むには勿体ない、人間が本を読むことで生じる心の化学反応について、数式なしで書かれた一冊です。
 活字の集合である本が、未知と既知の間に架けられた橋だとしたら、その橋は一体どんな構造やメカニズムなのか。 
 多くの比喩表現によってわかりやすく書かれてありますが、そこには著者がいかにして読者に情報を伝えようと努力してきたか、その苦労の跡を追体験できる貴重な一冊です。

2 ChatGPTによる概要

 『取材・執筆・推敲 書く人の教科書』は、古賀史健著の書籍で、ライティングプロセス全般にわたるガイドとして構成されています。
 この本は、取材、執筆、推敲の三部構成で、書く技術と情報を伝える方法についての深い洞察を提供します。
 古賀史健は、世界的ベストセラー『嫌われる勇気』を含む数々の名著を執筆した経験を持つライターで、この本では約500ページにわたり、書く人が真に理解すべき核心のみを教えます。
 読者は、実践的な取材方法、効果的な文章構造の作り方、そして自分の作品をさらに洗練させるための推敲技術について学びます。
 この教科書は、プロフェッショナルなライティングスキルを磨きたいすべての人にとって貴重なリソースです。

3 問と答

 本書の中には、多くの問とその答がある。
 その中でも私の一番のお気に入りの問と答はこれです。

 問 オモシロい本を作るには、どんな設計図が必要か?

 答 デパート。 

 本の構成を考える際に例示されているのが、百貨店と呼ばれる昔ながらのデパートなのです。

 デパートの出入口をくぐると、いきなり化粧品フロアの香りや煌びやかな内装が五感を刺激し、日常から隔絶された異世界に来たような感覚を味わいます。
 誰しもが経験しているはずです。
 2階、3階とフロアを上がっていき、最後に最上階のレストランで食事をしながら各フロアで過ごした時間を反芻する家族の語らいの時間があります。
 デパートを訪れた時のワクワク感や特異な体験を、本という媒体が読者に想起させたい感情の例えとして使っているのです。

 問と答というフレーズでくくっているので、本書で語られている
対談形式のインタビューについても触れておきます。
 対談とは、「問いと答え」だけで成り立つものではない、と著者は語っています。
 自分の考えを述べ合う対話を通して、経験や価値観が交換され、その2人だから生まれた化学反応が対談の魅力だと語っています。

4 ビフォー 気づき アフター

 ビフォー(読書前)
 noteの記事もそうですが、書くことの難しさに圧倒されがちで、時には筆が進まないこともよくありました。

 気づき(読書中)
 各章を進むごとに、取材、執筆、推敲の各プロセスにおける具体的なステップや考え方を知りました。   
 
 アフター(読書後)
 「デパートの例え」を通じて、本の構造をどのように設計すれば良いかのビジュアルが頭に浮かび、書くための「設計図」という考え方が理解できました。

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