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高校卒業後にすぐ大学に進学しないのはドイツではごく普通のこと

ドイツでは、高校を卒業してすぐに大学に入学することは稀です。

それは主に、下記の理由からと思われます。

・大学で勉強したい学科が、まだ決まっていない。

・高3の最後のセメスターに受験するドイツの大学入学資格試験である
アビテゥーアがかなりハードなため、終わったらまずはゆっくり好きなこと
したい、海外旅行したり、遊学したい、と願う子が多い。

・医学部入学となると、満点くらいのかなりの高成績でないと入学許可が降りないため、数年入学を待つケースもあり。
その待っている期間に、医療施設などで実地体験研修・インターンを受けることも
可能だったりする。

・大学入学という選択肢のほかに、アウスビルドゥングという職業訓練学校へ
入学するというケースもある。

例えば、自動車整備士、調理師、銀行員といった
職業に就きたい場合であるが、企業で働きながら、授業でその専門職の知識を習うというコンビで、最高で3年を費やす。

高卒してすぐに大学へ進学が当たり前、もしくは浪人して塾に必死に通い
次年の大学入試合格を狙うという、日本での常識を破ってしまいたい、
とも思ってしまいます!

こういう考えならそれがいいと、それなら自分が本当にやりたい勉強や
仕事のこと、将来のことをじっくり考える時間も作れていいよね。

自由に生きていく、きちんと自分の道を決めてから次のステップに進んで行ける。

そして、すぐに大学に入学しないということは、30歳を過ぎても、
35歳を過ぎても、40歳になっても入学する場合もあるあるなのです。
何歳になっても学び始めるということは一般的。

急に勉強してみたいことが現れた、キャリアチェンジ、
大学卒業すれば、将来的にお給料が少しアップした安定した職種に
つくことができるという理由からが多いと言われています。

ドイツでは一度大学入学資格試験を取得していれば、いつでも
大学に願書提出が可能であるからです。

もしその資格試験をとっていない場合でも、もちろん可能です。
2年ほどかかりますが、資格試験取得コースに通い、資格試験に合格すれば
何歳になっても大学入学が可能なのです。

私のドイツ人の友人の中では40歳になってから歴史学を大学で学んだという
ケースもあり、現在大学2年生の息子の大学の同級生の中には、
25歳から33歳くらいのクラスメイトが数名いたりします。

私の息子は17歳で高校を卒業して大学にすぐに進学しましたが、
そのケースは本当にまれで、
高校の同級生の中でもこのケースは20人に1人くらい。

息子がそうしたのはコロナ禍の真っ只中であり、今海外旅行するのだったら、
まずはすぐにベルリンで大学修士課程の勉学を始めたいと思ったこと。

そして、学びたい学科がすでに決まっていたのでオンライン講義でも本人は至って気にならないので、ということで、すぐに大学に入学しました。

そういえば、息子が高校を卒業して一つだけ、
卒業後の進路をある程度決めていないとちょっとだけ困るかも、
ということがありました。

それは、健康保険のことでした。

ドイツに住んでいる場合は、誰もが何かしらの健康保険に加入しなくてはいけないし、健康保険に加入していないと、大学に入学することもできません。

まだ親元に住んでいるとしても、高校を卒業したら、学生なのか、研修生なのか、という何をするのかということをまずは決めないと、
ファミリーでの健康保険にそのまま加入継続することが難しくなってくる
とのこと。

25歳になるまでは学生をいうステータスであれば、ファミリー健康保険に継続加入することができるとのことで、お値段的にもお得であるので助かりました。


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