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新聞滅亡へのプロセス

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新聞は、社会や個人、もちろん政治、政治家も批判しますが、自らは相互批判しようとしません。それがなぜなかのか、について書きました。 新聞は政治や公権力を「監視」するのが本来の仕事で…
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#メディア

新聞滅亡へのプロセス(6) 「新しい」戦前への道

新聞滅亡へのプロセス(6) 「新しい」戦前への道

 今回のブログは、まず、第3回で取り上げた南彰記者の出版した書籍を紹介する。タイトルは「絶望からの新聞論」(注1)。4月30日から発売とアマゾンに出ていたので注文した。自宅に届いたのは5月3日だった。

 この本には、雑誌「熱風」昨年12月号に掲載された南とジャーナリストの青木理との対談が再録されている。そこで南は退社の経緯や思いを詳しく述べている。

「新聞滅亡へのプロセス」とは

 前回まで、

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新聞滅亡へのプロセス(3) 組織ジャーナリストを考える

新聞滅亡へのプロセス(3) 組織ジャーナリストを考える

#新聞滅亡へのプロセス

 日本型ジャーナリズムは、記者・ジャーナリストという「個」の集合体によって報道機関としてのメディアを機能させているのか。それとも、新聞社、放送局という会社組織の「駒」としての記者の活動によって報道機関は成り立っているのか、との本源的な問題を孕んでいる。

 記者がジャーナリストとしての「個」を確立できなくなっている実態について朝日新聞を例に考えてみよう。

「駒」としての

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新聞滅亡へのプロセス(4)不作為の罪 オリ・パラ報道を例として

新聞滅亡へのプロセス(4)不作為の罪 オリ・パラ報道を例として

#新聞滅亡へのプロセス #メディア 「不作為の罪」

 報道の自由が確保されている国々のメディアの視点では、報道倫理にもとる「不作為の罪」というべき状況が、日本の組織メディアで起きているのではないか。この場合の「罪」とは、法律上の罪ではなく、倫理的な「罪」(英語でいえば【transgression】あるいは【sin】 )のことを指す。(注1)

 英BBCが取り上げたことによって初めて広く報道される

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