ウルトラマンジオ 7話 プロット風書き出し

7話 「さざめく街」

暑い日々が続き、セミの鳴き声がしゃわしゃわと鳴り響く

チームXの基地 ロビー

「先生!」

「おお、A、元気にしてるようだな」

久しぶりの再会を喜ぶ二人。

先日の宇宙人騒ぎを踏まえ、宇宙からの侵略という危険性が出てきた。
その対策会議のため、各分野の専門家が集められた。Aの恩師でもある教授もその一人だ。

会議が進む。

宇宙からの侵略に備え、兵力を増す必要がある。

宇宙人との対話を試みたい。

宇宙への進出を進めるべき

様々な意見が交わされる。

結局、今後の方針は固まらなかった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

休憩室で教授と話すA

「先生、ウルトラマンって聞いたことあります?」

「ウルトラマン?、いやぁ、初めて聞くねえ」

「この間、宇宙人と出会ったとき、言ってたんです」
「どうして、この星にウルトラマンがあるんだって」

「それは、会議では聞いてないなあ」

「すみません、まだ誰にも報告してないんです。」
「自分でも分からないんですけど、なんだか誰にも相談できなくて」

「ウルトラマンという名前よりも、ウルトラマンが『ある』という表現が気になるねえ」
「まるで、物を指しているようだ」

「あと、宇宙では戦争が起こっているとも言っていました」

「戦争…ウルトラマンは戦争で使われる兵器、ということかな?」

「ウルトラマンが…兵器…」

少しばかり静寂が訪れる

いや、静かなのは二人だけで、セミの音が流れ続けた。

「しかし、今年はセミが多いなあ」
「ここに来る途中、顔にぶつかってきたんだよ、いやぁびっくりしたねえ」
教授がほっほっほと笑う

「ニュースでもやってましたね、今年はセミが異常に多いとか」

警報がなる

情報分析Fの声がスピーカーで鳴る

「ジンオウ山付近に怪獣出現!各員は持ち場についてください!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

作戦室

チームメンバーと教授が揃う。

「ジンオウ山近くの地中から怪獣が現れた。
 F,映像を」

隊長の指示でモニターに映像が出る

「うわっなにあれ…虫…?」
メカニックDが顔をしかめる

地中より巨大な虫のような怪獣がうごめいていた。

「戦闘機で出撃、住民の避難が完了するまで、様子見。必要があれば攻撃を許可する」
「避難完了後、陸上兵器と共に迎撃開始」

各隊員が了解する

Aが現地に向かおうとすると、教授が尋ねる。
「君も行くのか?」

「はい、現地に行かないと分からないことが多いんです。」

「そうか…気をつけてな」

「はい!」

心配そうに見送る教授

「大切な教え子を危険な目に合わせて申し訳ございません。」
謝罪する隊長
「でも、A君の知識がないと、危なかった場面がたくさんあるんですよ」
情報分析Fが話す
「あの子はとても勇敢で優秀なんですよ」

「そうですか…いや、そうでしたね」
昔からの知り合いである教授には、Aの成長が嬉しかった。

現場のA

「見た感じ…セミっぽいですね」

「でも、セミって地面の中で暮らすんでしょ?」
「なんで出てきちゃうのよ」
陸上兵器で待機中のメカニックDが聞く

「もしかして、あれか、脱皮ってやつか」
戦闘機から様子見をしているパイロットEが続く

「可能性はありますね。ジンオウ山の、そびえ峰に向かってますし」

そびえ峰とは、ジンオウ山本山と繋がる山の通称である。
とても人が登れるような山ではなく、まるで一本の永細い
岩石がそびえたっているようだ。

セミ怪獣がそびえ峰に上り始めた。

A「あ、やっぱり脱皮するみたいです!」

「隊長、どうします?成虫になったらうるさくてかなわんですよ」
パイロットが聞く

「セミには悪いがやらせてもらおう。とても共存できる相手ではない」
隊長が迎撃を判断した。

「私、セミ苦手なんですよねえ」

「大丈夫だ、成虫になる前にたたく。
 セミは羽化する間は無防備で柔らかいからな」

陸上兵器に乗るメカニックと副隊長が出撃

2大兵器が峰にしがみつくセミ怪獣に砲撃を浴びせる

煙が晴れ、無傷のセミ怪獣があらわになる。

「嘘!?全然効いてない!」
驚くメカニック

「きっと、今は蛹のようにとても硬い状態なんです」
主人公Aが分析しながら語る

「副隊長!さっきと話しが違いますよ!」

「怪獣は生態が違うのか。厄介だな」

「じゃあ、合体して一番強いのぶっぱなしますか」
パイロットが提案

提案に乗り、兵器が合体、ウェポンXとなる

最大出力でビームを発射。

なんと蛹にひびが入る。

「よっしゃぁ!もう一発だ!」

エネルギーを充填する。

その時、蛹の中から成虫が出現。

「あ」

「まずい、羽化したぞ!」

充填を中止し、銃を撃つ。

弾が向かった先には怪獣は既にいない。

ウェポンXの背中にダメージが入る。

「なに!?」

「はやい!」

姿を捉えられず、連続攻撃を受けるウェポンX

主人公がジオに変身

怪獣に光弾を発射するが、これも避けられる。

ジオ、ウェポンX、両名とも翻弄されるばかりだ。

基地で様子を見ていた教授が尋ねる。
「隊長さん、あのロボットは水を出すことができますか?」

「水?消化活動用に放出機能がついていますが、、」

「セミは水に弱いです。水を上空に放ち、シャワーのように降らせれば、
 動きが鈍くなるはずです。」

話を聞いていた副隊長が作戦を実行。

上空に大量の水を放ち、一時的に雨のような水が降り注ぐ。

羽が濡れたセミ怪獣は空を飛べなくなり、ひっくり返って
動きが止まる。

動かなくなった怪獣にゆっくり近づくジオ。

セミ怪獣がビビビッ!っと動く。セミ特有のあの動きだ。

驚くジオ。右腕にエネルギーを貯め、拳を突き付けるように放つ。

怪獣が爆散する。

「セミのアレには巨人もビビるのか…」
パイロットが呟き、戦闘が終了した。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

事件が終わり、基地のロビーで教授を見送る主人公

「先生、アドバイスありがとうございました!
 おかげで怪獣を倒せました」
教授にお礼を言う主人公

「役に立てて、よかったよ。でも、本当は君がああいう役目なんだろ?」

「え、えっと…あの時は…その…」

「ふっ、分かってるよ。君は戦っていたんだろ、ウルトラマンとして」
こそっ主人公に耳打ちする教授

「え!?な、なんでわかったんですか!」

「付き合いが長いからね。なんとなく分かるさ。」

「お願いします!皆には内緒で!」

「それも分かってるさ。大丈夫。君がウルトラマンなら、
 戦うための兵器になんてならないさ」

「先生…」

帰っていく恩師の背中を見つめる主人公

その思いを胸に、戦い抜くことを決意するのだった

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?