日本のアイデンティティを取り戻せ!

ABIX STARDOM.株式会社の岡本社長が見てこられたアメリカの実態をお聞きしました。岡本社長は京都で不動産業を営まれている傍らアメリカで建材の卸業をされておりアメリカに住んでおられる期間もあった為、日本のニュースでは語られない本当のアメリカについて実際に観たものをお話頂きました。

経済大国アメリカの実態

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今ニュースではアメリアの経済はインフレであり、コロナの影響を受けた経済もGDPが成長し復活しているというニュアンスの報道が多いです。為替相場も大幅な円安になり、アメリカと日本の経済には大きな差があるように見えています。しかし、実際はコロナが明けてからもニューヨークでもホームレスが増え、街中で普通に見かける状況なんだそうです。特にアメリカ企業では多くのスタッフがアルバイトでありマネージャークラスだけが正規雇用なこともあって、企業の業績が落ちれば簡単に解雇され、たちまち生活が立ち行かなくなるようです。つまり、アメリカも実体経済が成長している訳ではなくプッシュインフレによるGDPのプラス成長であり、国民の生活は苦しいのです。日本とアメリカの給与も平均年収で倍以上の差がありますが、生活にかかるコストも単純に倍になっているそうです。あくまで平均年収ですから、経済格差の大きなアメリカでは生活コストに苦しみ路上で生活する人が増えるのは当然の事でしょう。ましてや社会保障費は一人当たり約20万円/念だそうです。いくら年収がある程度もらえても、物価が高く社会保障費も自腹が多いようでは生活に苦しむのは目に見えています。ニュースでは物価の上昇、GDPの成長、為替の変動ばかりに目を向け、負の面は全く報道されていません。なんだか作為的なモノを感じてしまいます。結局のところ、アメリカ経済は物価は上がりインフレではあるものの、誰もが生活面に不安を抱えず暮らしている訳ではなく多くの方が苦しみながら生きている訳なんです。TVや新聞の報道には偏りがあることを理解しているものの、やはり『目に見えるものを信じてしまう』という事から抜け出せていないし、メディアの信じ込ませる力は凄いと感じました。

日本はどうなのか?

日本でもここ1年であらゆる資材が高騰しプッシュインフレであることはアメリカと同じです。ただし、アメリカと違って30年来はデフレ基調にあった為、平均年収は低いものの物価も低く生活はある程度安定しています。その中でもコロナの影響を受け、多くの方が職を失い苦しい生活を強いられていることも事実です。昨年の自殺者数は21,000人程いらっしゃいます。近年の自殺者では若年層の女性が増えており、社会の中で一番負荷がかかっている部分が見えてきます。加えてコロナの影響も受けながら海外労働者の数は増え続けています。1億総活躍、所得向上なんて言いながら真逆の方向に進んでいる部分が見えてしまします。

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日本のアイデンティティ

結局のところ社員をコストと考える企業が多ければ、コストの高い日本人スタッフを切り安い海外労働者を雇用し低コストの経営に走ることになります。そうして海外労働者が増えた時、日本は本当に日本として守れるのでしょうか?皇国としての日本、食文化、礼儀、三方良しという社会に対する考え方、文字・・・国という人間の集団の単位でしかない枠組みの中には、そこでしか醸造されない固有の文化や風習があります。日本人としては、先人が積み重ねてきた資産を引き継ぎ、洗練させ、次の世代に渡していかなければ途絶えてしまいます。そういった資産に日本人自身が気付き伝え『郷に入っては郷に従え』ではないですが、日本人としての姿を見て共感し一緒に生活をしたいと思ってもらえる国にしなくては信念の無い国になってしまうのではないかと危惧してしまいます。

企業としてど関わるか

タイトルに戻りますが日本に存在する企業として、地場で残っている伝統や風習を認識し現代に生きた形で反映する事は『日本のアイデンティティを取り戻す』事に繋がるのではないかと考えています。京都であれば西陣織や京都の祭り、食文化、農業、織物など多くの産業が文化と共に残っています。弊社はモノづくりで生計を立ててきた企業ではありますが、そのプロセスや企業活動そのものにおいて上記のような他の産業とも直接関わることは可能です。また、工場という箱を持っている関係で、そういった地域にいらっしゃる方とのコミュニティを創ることでお互いに新たなフィールドへと踏み出せるのではないかと思います。

アメリカ経済の実態を伺い色んな所に思考が飛んでしまいましたが、いつの時代も”先人が残したモノの上に私がいる”のであり感謝を忘れずにいたいという事と、それを受け継ぎ新たな形へと進化させていく使命があることを感じたので書かせて頂きました。

何事も積み上げて形にするまでは途方もなく時間と労力がかかりますが、破壊するのは一瞬です。壊すも積み上げるも今の我々に委ねられています。壊すなら新しい何かを積み上げるのか?保守か革新か?日本の歴史も踏まえて思考を巡らせて行きたいと思います。

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