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誰の為のデジタル化?

最近弊社ではペーパーレスを始めとした物理的な情報管理からデータに変更する動きを取っています。
時代の流れからすると周回遅れではありますが、自社サーバーの切り替えと共に動きを取り進めている状態です。
私の感覚ではIT化の浸透率は法人と個人で比較すると限りなく法人の方が進みが遅いです。(後述のグラフを参照)
やはり企業となるとコストが個人のそれとは大きく異なるという事があると思いますが、一番大きいのは『メリットを理解していない』方が多いからではないかと思います。
全ての技術やツールを迎合する必要はありませんし、あくまで使用する側の選択の問題ですので文句を言いたい訳ではありません。
ただし世の中の動きと大きくかけ離れるのは、ビジネスの感覚もズレる可能性がありますし、働く仲間のモチベーションにも影響する可能性があると考えています。

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デジタル化は何を生み出すのか?

今回のデジタル化はあくまで社内の話に限りますが、デジタル化を進めてみて感じる事があります。
それは『ツールを使いこなす為の教育が必要』だという事です。
それまでの経緯に依るとは思いますが、弊社メンバーの多くはPCすら限定的にしか触れていなかったこともありPCの操作に近いところから始めなくてはなりませんでした。
当然システムのUIは初心者でも分かりやすいようになっていますが、前提となるリテラシーが伴っていなければ通用しません。
とはいえ、この部分は慣れの問題だと思いますので回数を多くこなせるように、業務上のオペレーションを敢えてPC操作を少し入れてみたり、逆に難易度の高いものは作業者が触れなくても良いように手を加えたりと個別に対応をしています。

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数か月経ってくると、多くのメンバーが感覚的に分かり始めてスムーズになってきています。
すると紙管理を辞めデータで管理する事で、業務量が大きく減ってきています。
今まで3人掛かっていた紙での作業が2名で対応できるようになったり、紙媒体の為に個人で管理されていた情報が共有されることで無用な問い合わせが減りました。

企業としては業務が減ることや関わる人数が減ることはコスト面では助かりますし、デジタル化の効果は出ていますし今後も続けていくつもりです。
しかし判断するのはコスト面だけでは無いと私は考えています。
それはメンバーの参画意識です。
特に今回はデジタル化という、年配の方が不得意にしている分野でもあったことから社内の比較的若いメンバーが中心になって動いてくれました。
私からは大まかな方向性と期限だけを設定し、そこまでのプロセスはメンバーに考えてもらいました。
社内では若手に任すという事が殆どなかったので非常に良い機会になったと思います。
またデジタル化は一度導入したら終わりかというと、継続して改善ができるという事と今回の社内の問題の様に使ってもらう人へのサポートを進めていかなくてはならず、長いスパンで関わることが必要になります。

デジタルツールの初期コストは導入するツールによって様々ですが、サブスクで購入できるものも多く失敗しても痛手を負わない手段を取ることができます。
これからもコスト勘定だけでなく人の可能性も成果物に見据えながら継続していきます。

デジタル化の先には

敢えて言う事でも無いと思いますが、デジタル化はツールです。
目的を達成する手段でしかありません。
私にとってデジタル化の目的は『社会に関わる時間を創り出す事』です。
弊社のメンバーは多くが工場勤務です。
工場勤務の場合、毎日が自宅と工場の往復になってしまいます。
本人たちは毎日の事なので疑問を持っていないかもしれませんが、私にはこのままの状態で弊社を退職を考えた時、その後の人生を歩んでいくんだろうかと心配になってしまいます。

よく聞くのが退職して1年くらいは何もしなくていいので凄くラクだし自分のやりたい事ができる!と楽しんでおられるのですが、2年も経つと曜日感覚がなくなり家も居づらくなって楽しくなくなるというケースです。
もちろん人によってはコミュニティーづくりが得意な方は自ら動いて求められる役割を果たしながら楽しい人生を歩まれると思います。
しかし工場に勤務される方は、そういった事が苦手だからこそ工場勤務を希望される方が多いです。

こういった方達に普段の生活の中でコミュニティーづくりをしておいて下さいね!と伝えても行動には移せません。
ここに就業時間中に業務として地域の方や違う業種の方と触れる機会を作っていきたいと考えています。
私の所属する経営実践研究会でも、企業が社会人を社会に送り出す役割を果たす為にも『プレイべートと会社』の時間以外に『社会』の時間を作ることを勧めています。

全ては人の可能性の為

人生における時間の使い方など個人の自由なのかもしれませんが、所属するコミュニティが1つだけの場合、そのコミュニティから抜ける事になると途端に社会から孤立する事になってしまいます。
自ら孤独を選ぶことは自由ですが、孤立は周囲から存在を認めれないことを意味し『生きる意味』をネガティブに感じてしまう可能性があります。
会社で行動と時間を共にしたメンバーには、こういった事にはなって欲しくないという想いで取り組んでいます。

また複数のコミュニティに所属する事は自分の可能性を広げる事になると私は信じています。
コミュニティ毎に本人に求められる役割や能力は異なります。
自ら望んだものは他者に対して有益なものであるかは不明ですが、求められているものは必ず誰かの役に立ちます。
それを一つ一つ乗り越えていくことで、必ず自分の今まで気づかなかった可能性に出会う事になると思います。
私もそうですが年齢や能力に関係なく、人には様々な可能性があると思います。
コミュニティの中ではその人の固有の役割が与えられ、その分だけ可能性が広がると思います。
そして固有の役割を果たした時、自分がここに居ていい、他の誰かの為に動きたいという気持ちが湧いてくるのかもしれません。

そんな社会の為に私はテクノロジーや新しいツールを手段として使っていきたいと思います。
今後はデジタル化と共にDXにも挑戦していきます!

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