中世の本質(30)国自治
農民権は江戸時代前期、ほぼ正常に成立していました。すなわち大名と農民たちは対等な関係を維持し、保護と年貢納入は問題もなく履行されていました。しかし江戸時代後期になりますと、状況は一変します。大名が農民たちとの双務契約を一方的に破棄した、そして農民権を侵し、増税を命じ、農民たちの財産を横領したのです。
当時、大名たちは藩の財政難に苦しむようになっていました。貨幣経済の発達が農本主義にしがみつく武家を襲っていたのです。性悪な大名は財政危機に直面し、その責任を農民たちに転嫁する