竹下おさんぽ

 今日の午後は何の予定もなかったので、クレープの甘ったるい匂いに誘われるままに竹下通りを散歩していた。そしたらなんと、怪しげな服屋のお兄ちゃんたち、(それぞれ別ポジションに待機している)ほぼ全員に声かけられてしまった。
 俺ってそんなにチョロそうに見えるのかと軽く絶望していると、表参道の向こう側から超絶スタイルの白人美女が歩いてきてキツい追い討ちを喰らったぜ。顔はトマトくらい小さいし、足はフラミンゴのように細くて、まるで白黒映画のヒロインみたいだった。
 なんという格差!

 どうせシティボーイには成れはしないのさ!
  とみっともなく拗ねることは、正直簡単である。
 渋谷の、とあるカフェでのバイトが決まったので、徐々に都会に染まっていくとしよう。

 そうしたらいつかは、竹下通りを声掛けされずに歩ききれるよね!

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