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ひとりめ

 私の親は厳しい。しかし、親は学ぶ。様々なことにおいて、妹が私と同じ歳になる時には制限が緩んでいることが多い。大学生になった妹の自由さたるや。バイトの種類、外泊のハードル、いわゆる飲みサーへの許容。門限破りのスルー。

 ルールが緩くなったことを親に指摘すると、状況は変わるでしょ、昔は昔、今は今だと言う。確かに社会は目まぐるしく変わる。状況の変化に応じたルールになるという法則は理解できる。でも、だ。たった1,2年で、酒を提供するバイトの仕事環境が、社会的にどう変化したのか。大学生は楽しく遊ぶ、色んな付き合いがあるものだというイメージはここ1,2年でできたものなのか。否。1人目の私に厳しめにルールを設定し、私や周りの話を聞いて、いわゆる「一般的」を知り、妹の時になんとなく少し自由にしただけだ。それでも十分に厳しいので妹にも少しは同情する。

 親にとっては右も左も分からないお試しの1人目の子育て、関係性作り、親離れなのかもしれない。しかし、1人目自身にとっては一瞬一瞬が最初で最後の自分の人生だ。なんでもただ否定し制限するのではなく、そのお家ルールがどんな意味を持つのか、そもそも必要なのか、もっと真剣に考えてほしかったな。もちろん大学生になってからのルールだけじゃなく、小さい時からね。

  ママとパパへ
 大学生になって初めての飲み会を断った私はその後飲み会に誘われることはなくなり、周囲に1人だけ「さん付け」で呼ばれているよ。呼ばれてそれを自覚するたびに胸がキュッとするんだよ。もっとみんなと仲良くなりたかったな。

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