なぞなぞ小説 「なぞなぞの王様」
物語:
ある日、なぞなぞが大好きな男の子、鳥羽 一郎(とば いちろう)は、学校の帰り道に不思議な本屋さんを見つけました。本屋さんの看板には「なぞなぞの王様」と書かれていました。一郎は興味を持って本屋さんに入りました。
本屋さんの中は、色々ななぞなぞの本が並んでいました。一郎は目を輝かせて、本を手に取り始めました。すると、本屋さんの奥から、白髪と白ひげの老人が現れました。老人は笑顔で一郎に話しかけました。
「こんにちは、君はなぞなぞが好きなんだね。私はこの本屋さんの主人、猪瀬 智樹(いのせ ともき)と言うんだ。君はどんななぞなぞが好きなんだい?」
一郎は驚きました。猪瀬智樹という名前は、有名ななぞなぞ作家の名前でした。一郎は猪瀬智樹の本を何冊も読んでいました。
「あ、あの、猪瀬智樹先生ですか?私はあなたの本が大好きです。特に難しいなぞなぞが好きです」
「そうかい、ありがとう。では、君に難しいなぞなぞを出してあげよう。もし解けたら、この本屋さんのどの本でも一冊プレゼントするよ」
「え、本当ですか?ありがとうございます。では、どうぞ」
「よし、では聞いてくれ。私は今日、この本屋さんに来たお客さんの数を数えていたんだ。君が来る前には、男性が3人、女性が4人来ていたよ。そして君が来たときには、男性が5人、女性が6人になったよ。さて、このとき本屋さんにいた人数は何人だったか?」
一郎は考えました。これは簡単だと思いました。
「それは簡単です。男性が5人、女性が6人ですから、合計で11人です」
「違うよ。もう一度考えてみて」
一郎は戸惑いました。違うということは、何かトリックがあるのでしょうか?
「えっと、もしかして先生も含めてですか?それなら12人です」
「違うよ。もっと深く考えてみて」
一郎は困りました。どうしてもわかりませんでした。
「わかりません。教えてください」
「分かった。では答えを教えるよ。実はこの本屋さんには鏡があるんだ。君が来る前には鏡に映っていた男性が1人、女性が2人いたよ。そして君が来たときには鏡に映っていた男性が2人、女性が3人になったよ。だから実際に本屋さんにいた人数は男性が3人(私と君と鏡に映っていた男性)、女性が3人(鏡に映っていた女性)で合計6人だったんだ」
一郎は驚きました。そんなことまで考えられませんでした。
「すごいです。先生は本当になぞなぞの王様ですね」
「ありがとう。でも君もなぞなぞが好きなんだから、もっと頑張ってみて。なぞなぞは論理的に考える力を鍛えるんだよ。それに楽しいしね」
「はい、分かりました。これからも先生の本を読んで勉強します」
「そう言ってくれると嬉しいよ。では、今日はこれでお別れだけど、また来てくれるといいな」
「はい、また来ます。ありがとうございました」
一郎は本屋さんを後にしました。手には猪瀬智樹の新刊の本がありました。一郎は早く家に帰って読みたいと思いました。
物語はここで終わりです。
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