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【エッセイ】ビニール傘

透明なビニール傘がすきで
雨降りの日もすきで

最近では色のつけられているビニール傘も
ときおり見かけるようになったけれど
まだまだわたしは透明のビニール傘を買いつづけるだろう。

雨降りの日、ビニール傘に水滴が集まり
ごちゃごちゃいろいろ遊べることが
昔からすきですきで
小さなころはいつも大きい万華鏡をのぞいてる気持ちになっていた。

いまもその感覚はあまりかわらず
傘に集まった水滴にみとれてこけそうになったり
ひととぶつかりそうになったり
横にいるはずの友だちの話から耳がそれたり

透明な傘をくるりと回すと

水滴がぶわっと移動

ひとりで遊んでると時間は
わたしをすぐに通り過ぎてゆく。

子どものころは家につくのがもったいなくて
家を感じないところでたちどまり
何回もくるくるくるくると傘を回していた。

たかが雨
いまは体もしんどい雨になってしまったけど
雨降りの日はやっぱりすきだ。

傘にぶつかる雨粒が大きいときはバツバツバツ!
こんな風に聴こえる。

どんなに忙しくても
こころが迷ってても
きっとわたしのかわらないところ。
ひとり遊びは特技のひとつ

気づけば退屈するヒマというものは、ずっとなくて。


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