肩甲帯に関わる筋の役割

鎖骨の運動制御
メインは僧帽筋上部。他に三角筋前部線維、大胸筋鎖骨部、鎖骨下筋、胸鎖乳突筋、胸骨舌骨筋の6種類が制御に関わる。

※鎖骨は単独で動くことはないので肩甲骨を含めた肩甲帯で捉えることが重要。

引用:身体運動学 肩関節の運動学 市橋則明 宮坂淳介 71P

肩甲骨の運動制御
19種類の筋が付着している。
僧帽筋中部・下部、前鋸筋、小胸筋、肩甲挙筋、小・大菱形筋、三角筋中部・後部、肩甲舌骨筋、大円筋、広背筋、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋、上腕二頭筋、烏口腕筋、上腕三頭筋長頭。

引用:身体運動学 肩関節の運動学 市橋則明 宮坂淳介 71P
引用:身体運動学 肩関節の運動学 市橋則明 宮坂淳介 72P

肩甲胸郭関節の役割

筋の収縮力はお互いの骨を引き寄せるように作用する。
そのため物理学上、軽い物体は重い物体へと引き寄せられる。
これを肩関節に置き換えると、上肢の重さは肩甲骨と比較して圧倒的に重いので物理学上は肩甲骨が上肢に引き寄せられるように動くため肩甲上腕関節は上手く機能しない。
そこで肩甲胸郭関節の安定化に関わる筋が働き、肩甲骨と鎖骨、体幹を
一体化させることで上肢よりも肩甲帯の方が重くなり肩甲上腕関節の運動が可能となる。

引用:肩関節拘縮の評価と運動療法 林典雄 赤羽根良和 34P

屈曲、外転では僧帽筋、前鋸筋が作用、
伸展では大・小菱形筋、肩甲挙筋、小胸筋
1st外旋では僧帽筋中部、大・小菱形筋
が機能し肩甲骨を安定させている。

肩甲帯運動に関わる筋

【挙上】
鎖骨 →僧帽筋上部
肩甲骨→肩甲挙筋、大・小菱形筋

【下制】
鎖骨 →鎖骨下筋
肩甲骨→小胸筋、僧帽筋下部、広背筋(上腕骨を介して)

【内旋】
肩甲骨→前鋸筋中部、小胸筋

【外旋】
肩甲骨→僧帽筋中部・下部、大・小菱形筋

【前傾】
肩甲骨→小胸筋、烏口腕筋、上腕二頭筋短頭

【後傾】
肩甲骨→前鋸筋、僧帽筋

【上方回旋】
前鋸筋下部、僧帽筋

【下方回旋】
肩甲挙筋、大・小菱形筋、小胸筋、三角筋中部線維

【肩甲骨のフォースカップル】
肩関節外転動作を行う際に僧帽筋と前鋸筋がお互いに収縮し肩甲骨を安定させることで、キレイな肩甲上腕関節の外転を可能にしている。

引用:身体運動学 肩関節の運動学 市橋則明 宮坂淳介 74P

肩関節運動に伴う肩甲骨運動



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