憧れていた曲の結末
昔からよく耳にする曲で、アーティスト名や曲名はわからないけれど好きな曲ってありますよね。
私にもいくつかあって、度々ラジオで流れると「ああ…憧れの曲が流れた…嬉しい」
と恍惚とした気分になります。
今からご紹介する曲もそんな曲の一つで、長年憧れ続けていた曲です。
出会いはおそらく高校生くらい。親の運転するカーラジオから流れてきたのがきっかけだったと記憶しています。
洋楽に詳しくない両親に訊いてもわかるはずもなく、以来度々どこかで耳にするけれど誰が歌っているのか、何ていう曲名なのかわかりませんでした。
この曲の声の持ち主は、キャロル・キングによく似ています。
大学時代にキャロル・キングに出会った時、もしやキャロル・キングの曲かしら?と思いましたが、キャロル・キングの楽曲にこの曲はありませんでした。
声の印象は、カーペンターズほど清廉潔白ではなくて、キャロル・キングほどスレてはいない感じ。透明感がある中に、絶妙に大人の女性の色気もあるような声質です。
何を歌っているのかわからないけれど、曲調はどことなく恋人を想って歌っていそう。
この曲の情景をあらわすと。
小雨の降る午後、古いカフェで。ダークブラウンの瞳の女性が、物憂げに窓の外を見ています。丁寧に塗られた口紅に肩までのふわりとカールした柔らかな髪。手元には飲みかけのブラックコーヒー。シンプルなシャツに身を包み、細身のデニムのパンツ。ため息混じりで恋人を待っている…といったイメージです。
勝手な妄想。膨む妄想。
声が似ているだけに、歌い手は限りなくキャロル・キング像に近いけれど、もう少し色気もある感じです。
その曲がつい数ヶ月前にいつものラジオで流れたのです。
ああ、またこの曲に出会えた。そうだ、今日こそアーティスト名と曲名を知るチャンス!と番組ホームページで検索すると。
こんなアーティストが歌う、こんな曲でした。
◆I Saw The Light (Todd Rundgren )
へえ、トッド・ラングレンさんか。
どんな人?
えーと、アメリカ出身の…
ん?
綺麗な女性…。
ではなくて。
男性ではないかー!
長年憧れていたこの曲は、この声は、男性だったのです。
この事実に動揺し、トッド・ラングレン氏が曲を作っで誰かに歌わせているのではないのか、と調べるも、やはりこの男性が歌っているらしい。
なんと…。先ほどの妄想は取り消し。
窓の外を眺めているのは、おじさ…いえ、男性であった。
それにしてもキャロル・キングと似すぎていますよね?女性にしか思えません。男性と知った今も疑うくらい、女性的な曲。
美しい女性像は崩れましたが。
でも長年の憧れの曲の謎が解明して良かったです…。
キャロル・キングはこちらです。
◆ Carole King - It's Too Late