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邦題の謎 フレディ・マーキュリー編

前回のnoteでは、ジョン・ディーコンの邦題にまつわるあれこれを書きました。
フレディ・マーキュリーの曲についている邦題についても、まとめてみました。また好きなように書きますが、お許しください。

フレディの曲で、邦題がついているのは以下の15作品。

・フェアリー・フェラーの神技
・輝ける7つの海
・谷間のゆり
・神々の業
・うつろな日曜日
・愛にすべてを
・懐かしのラバーボーイ
・伝説のチャンピオン
・愛という名の欲望
・自殺志願
・永遠の誓い
・愛こそすべて
・悲しい世界
・喜びへの道(ジョンディーコンと合作)
・心の絆(ジョンディーコンと合作)

ジョンの邦題に比べると、比較的原題に忠実なものが多いような気がします。
その中で、ナゾな邦題がこちら。

その1:うつろな日曜日(Lazing on a Sunday Afternoon)



直訳すると、「日曜日の午後にのんびりしている」くらいでしょうか。
こちら、同じように不思議に思っているファンは多そう。

なぜなら、「うつろ」は空っぽ、とか生気がない、という意味なのにも関わらず、この曲の内容は、一週間とにかく忙しそうなのです。

月曜は仕事、火曜はハネムーン、水曜はサイクリング、木曜はワルツを踊りながら動物園、金曜はルーブル美術館。土曜はプロポーズをする予定。
日曜はのんびり過ごしまーす、といった曲。

「うつろ」どころか、充実しています。

日曜日だけに焦点を当てると、「うつろ」なのかしら。
フレディによると、気分がころころ変わる自分を歌った曲という。あっという間に終わってしまう、可愛らしい曲です。曲調もユーモアたっぷりで楽しんでいる様子がうかがえます。

「うつろな日曜日」よりも、「(忙しい一週間が終わって)ホッと一息日曜日」とか。

その2:愛という名の欲望(Crazy little thing called love)

直訳は、「愛という少し狂ったやつ」くらいですか。
こちら、フレディがお風呂で思いついたという曲。エルビス・プレスリー風な曲調で、主人公は「僕」より「俺」と訳されがち。

でも、内容はというと、「愛というおかしなやつは、手に負えないよ、思い通りにいかないよ」という「困っちゃうな」というニュアンスが強め。

「欲望」という要素があまりありません。
それよりも「振り回されっぱなしだから、なんとかしたいよ」と歌っています。

ただ、PVのフレディが、レザーパンツ姿でバイクにまたがって、女性をはべらかしている風なので、「欲望」という要素もないこともない。


フレディの遊び心を汲んで、私なら「愛という名の困ったもんよ〜ぉ」とか。

…。

その3:自殺志願(Don't try suicide)

直訳で「自殺をするな」です。
この邦題はどうかな、と思います。

内容は、ひたすら「自殺なんかするな」「誰も気に留めないぞ」と歌っています。

「自殺志願」だと誤解を生みそう。
そのまんま、「自殺するな」でよくない?

ちなみに…

補足ですが、フレディが初期に作った曲、
Death On Two Legsでは、


Do you feel like suicide? (I think you should)

「自殺したくなっただろ?」(するべきだね)

と歌っています(ひえぇ)

こちら、恨みのあった人物へ怨念のこもった曲なので、歌詞がびっくりするほど悪意に満ちています。あらゆる汚い言葉を吐き出して、とことん行ってやる、という感じ。

初期には「自殺したくなっただろ→するべきだね」と歌っていたフレディが、「自殺なんてするんじゃないぞ」と。
成長してる!


話はそれましたが、邦題て面白いですね。本人たちはどこまでわかって了承していたのか、ちょっと知りたくなります。
最近の洋楽には邦題がなくなったので、突っ込みどころもなくなりましたね、笑。



#QUEEN #邦題#フレディマーキュリー#謎