フレディ・マーキュリーと「プレゼント」
フレディ・マーキュリーはプレゼントするのが好きな人でした。
親しい友人やその時々の恋人、仕事で関わった人たちにもプレゼントを惜しみませんでした。
きっと喜ぶ姿を見るのが嬉しかったのでしょうね。サプライズをして喜ばせるのも大好きだったんですよね。
フレディの贈り物は様々で、香水や宝石や花瓶、元恋人メアリーには、オーダーメイドしたドレスをプレゼントしたりしていました。
さて、来日中にいつもフレディのボディガードを務めていたのが、警備会社に勤務していた伊丹さんという方でした。
ファンには神のような存在の人で、来日中のフレディの行動全てを把握し、いつもフレディと一緒。フレディからも絶対的な信頼を寄せられていた人物であります。
そんな伊丹さんに対しても、フレディは毎回プレゼントを渡していたんですよね。
有名なのが、カルティエの時計です。置き時計も腕時計もプレゼントされたそうです。フレディは、「大好きな人への贈り物はカルティエなんだ」と話していたそうです。
フレディからカルティエをプレゼントされたら、もう一生親友!くらいの愛情表現だと受け取っても良いのかも。
フレディが伊丹さんにプレゼントを贈るのは、帰国する間際が多かったそうなんです。
「来日中、お世話をしてくれてありがとう」
という、フレディの誠実な気持ちが伝わってきますよね。
ところが、そんなフレディが伊丹さんにプレゼントを贈らなかった年があるんですよね。
何があったのでしょうか。
1985年、QUEENが最後に来日コンサートをした年のことです。
大阪公演を終えたフレディは、大阪のホテルに滞在していました。この日の夜、フレディは外出しないという話だったので、伊丹さんはたまたまロビーで会ったロジャーと、飲みに行かれたそうなんです。
そうして帰ってくると、スタッフの人が「伊丹さん、フレディが探していましたよ!」と。本当はフレディは出かけたかったそうで、伊丹さんを探していたみたいなんです。
伊丹さんの帰りをコーヒーショップで待っていたフレディが、ロジャーやロジャーのスタッフと飲んで帰ってきた伊丹さんを目撃し、ご機嫌斜めに。
伊丹さんは「しまった!」とすぐに謝りに行ったそうですが、フレディに笑顔はなく、翌日イギリスへ帰国する際には目も合わせてくれなかったとか。
フレディ…。(汗)
伊丹さんは相当落ち込まれたと思いますよね。やってしまった!と。これまで友好な関係を築いてきたのに。
もう次はフレディのボディガードを外されるかも、とまで思われていたのかもしれませんよね。真面目な日本人ですもん。気持ちが痛いほどわかります。
フレディは自分だけの伊丹さんが、自分をほったらかしてロジャー達と飲みに行ったとプンプンしちゃったのだと思います。
しかもこの日が最後の夜だったので、余計に悔しかったのかも知れないですね。
…フレディって意外と小さいのね。
…伊丹さん、可哀想じゃん。
って。みなさん、どうか引かないでくださいね。いや、引きますかね。
フレディは繊細さんなんです、きっと。
伊丹さんは相当胸を痛めたはずですが、翌年、プライベートで来日した際にはすっかり元通りの関係に戻ったそうです。
伊丹さんが剣道をやっていたという情報を密かに仕入れたフレディは、帰り際に伊丹さんに立派な日本刀をプレゼントしたそうです。
伊丹さんは、フレディから贈られた日本刀は宝物なのだと話されていました。
伊丹さん、良かったね。
フレディが来日したのはこの年が最後となりました。
フレディをほったらかすと拗ねちゃいますよ。というお話しでした。