「私の隠れ家」
この日のラジオのテーマが「私の隠れ家」でした。
あなたには隠れ家がありますか?
そこはどんな場所ですか?
リスナーのみなさんは、お気に入りのカフェや自宅のトイレ、お風呂、車が隠れ家です。など様々な場所を挙げておられました。
みなさんにも隠れ家的な場所はありますよね?
私にもあります。
ということで、隠れ家で聴きたい、QUEENの隠れた名曲をどうぞ。シングルカットされていないのでメジャーではありませんが、とても可愛いトロピカルなジョンの曲です。
◆「Who Needs You」Queen
月並みですが、私の隠れ家は自宅近くのカフェです。と言っても気が向いた時にせいぜい月に2、3回行く程度なのですが。
そんな隠れ家にピンチがやってきました。
先に言っておきますが、私は純粋無垢な子供達が大好きです。少々騒いでいても寛大な心で見守る自信はあります。
しかし、しかしですよ。
平穏な隠れ家が喧騒の空間へと変わっていたら?
私の隠れ家である小さなカフェは、オーナーさんとアルバイトの女の子だけで回しているこぢんまりとしたお店です。
ランチタイムには、名物の手作り煮込みハンバーグを目当てにやってくるお客さんで、いつも賑わっています。
なので、ランチタイムをはずして、午後14時くらいが狙い目です。
通りに面したカウンターの席で濃厚なコーヒーを飲みながら、まったり過ごすのが極上のリラックスタイムなのです。
この日も通り越しにチラ見して、カウンターの席が空いているのを確認して、扉を開くと。
なんだかこの日は雰囲気が違う。
熱気とガヤガヤした空気に溢れている。
足を踏み入れると、四つしかないテーブル席の全てが、修学旅行生とその担任で占拠されていました。
一瞬入店を躊躇しましたが、いつものカウンターの席に落ち着いて、コーヒーを注文。
その数分後に後悔の念が。
小学生集団がここは教室ですか?と言わんばかりのはしゃぎっぷりで大声でワイワイしている。
私の街には観光名所はたくさんあるけれど、このカフェは駅からは遠いし雑誌に載っているような名店でもない。わざわざ並んで入店を待つような人もいない。何といってもここは住宅街に佇む隠れ家的なカフェなのである。
なぜ、ここ?しかも14時。
よほどお昼ご飯を食べるお店が見つからなかったのか。
それにしてもしばらく小学生に触れることがなかったので忘れていたけれど、小学生ってこんなに元気だったっけ?声も大きい!
しかも、若い担任の先生も声がデカい。大声で生徒に「◯◯、しっかり食べとるかー?」と呼びかけている。
小学校の担任の溌剌としたあのノリ、ああ、こんな感じだったなぁ、と。
言葉のイントネーションや話の内容からどの辺りから来ているんだろうと、と探るが答えは出ず。
ようやく、ごちそうさまを促す声が聞こえ、担任が席を立ち、「オーナーさんにご挨拶!」と大声で言うと、「ありがとうございました!!」と子供達が一斉にご挨拶。
小学生の揃った迫力のある大声に一瞬、ビクッとなってしまった。
けれど、散り散りに席を立つ子供たちから、「おいしかったね〜」という声が聞こえてきて、なんだか嬉しくなってしまった。母目線。
半分は、やっと静かな空間が戻ってきた…とホッとしたのだが。
さて、そのまま先生がお会計をしてお店を出るかと思いきや…
「みんなー、一人ずつお金用意〜!」
と、まさかの一人ずつお会計。吹き出しそうになってしまった。
何人いるんだ?アルバイトの女の子、「うそーん」って思っていそう。
これも教育の一貫か?
しかしアルバイトの女の子はニコニコと一人一人に対応していました。
きっと小学生たちにとって思い出のカフェになったことだろう。
しかし、こんな辺鄙な隠れ家にまで修学旅行生が…。その日以来、入店前にはまじまじとカウンター越しに店内を観察してから入るようになったのでした。