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青天の霹靂(小説)

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高校生の廉夏は16になると、幼なじみで歳上の冬眞と、結婚することに。だけど、冬眞と、結婚したことで藁人形が沢山届くことに。さらに、脅迫状まで。それに導かれるように、廉夏たちは、ホ…
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#勝負

青天の霹靂51(16進法2)

青天の霹靂51(16進法2)

今朝のを分けました。

「やり込めた?」
「そうよ。先生とパソコンでどちらが早く打ち込めるかの勝負で優香は、先生に勝ったのよ。凄かったんだから、二人ともブラインドタッチで、全然キーボード見ていないんだから」
恍惚(コウコツ)としながら、廉夏は言う。
「もしかして、対決した先生って中川先生ですか?」
「そうよ。そう」
「確かに、卒業生の間でも、噂になっていました。1年生が中川先生をパソコンの早打ちで

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青天の霹靂50(16進法1)

青天の霹靂50(16進法1)

束の間のうららかな日に、冬眞の携帯が、それを破った。
「はい、どおしました。 ええ、分かりました。直ぐ行きます」
そう言って、携帯を切ると、出かける準備をする。
それに、廉夏は首を傾げる。
「どうしたの?」 
不思議そうに廉夏が聞けば、スーツを着ながら教えてくれる。
「廉夏と同い年の1年生が殺害されました」
「えっ? 誰?」
「クラスが違うから、知らないと思いますよ。理系クラスの子ですから」
「ど

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青天の霹靂34(ゲーセン)

青天の霹靂34(ゲーセン)

踞(ウズクマ)っていた廉夏に声を掛ける。
「この後、どうします?」
「えっ~と、気分変えて、ゲーセン」
「はいはい」
冬眞は、頷く。
「で、勝負よ。もちろん、アイスを賭けたね」
「わざわざ、すいません。そんな気はなかったんですけどね。奢って下さるんですね」
「違うも~ん。私が今日こそ勝つんだから」
「そう思うのは自由です」
冬眞は涼しい顔で言う。
と言うのも、今のところ50勝負中50敗と、全敗なの

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