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種〜乙女座のシーズン〜

私が学んだ星読みの世界観では、「種」というと「乙女座」を思いおこします。変化と土のサインである乙女座は、物質的な世界でのものごとの完成を夢見て、「種」から芽が出て茎をのばし葉をひろげ花を咲かせて実がなり「収穫」のときを迎え、次のサイクルをおこすための種を選別するといった一連のプロセスを着実にすすめていくことにエネルギーを注ぎます。

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昨年の10月、鹿児島に住む友人宅を訪れた。「星の家」と名付けられたその家は、桜島を目の前に内海があり、引き潮のときには延々と歩いていくことができる砂浜がひろがる。そして、お庭には可愛らしい菜園とコンパニオンプランツとしてのたくさんのお花たち。「自然農」の方法をベースとした彼らの方法は、Yataの家で、ど素人の私がこれならやれそうと自然にたどり着いたかたちととてもよく似ていた。

Yataの家には、いま、菜園になりつつある玄関先の1畳分くらいのスペースとは別の広いスペースがあり、ど素人すぎる私にはその広さはもてあまし気味で、最初の春にジャーマンカモミールを植えたきり、あとは、毎年、勝手に生えてきてくれる蓬の採取場所となってる。その蓬は、アレルギーの強い甥っ子たちのために、春と秋にはアルコールにつけて1年寝かしてチンキをつくっていて、とてもよく効いているようなのでものすごく有難いのだけれど、春以降はどんどん伸び散らかす草に覆い尽くされていくので、夏になると草刈りが大変になる。そう。なんとかしたいスペースのひとつ。

「星の家」では、同じくらいのサイズのスペースにさまざまなものがうまく配置されていた。小さな島のようなものがいくつかつくられていて、そのひとつひとつの島がひとつの世界を完成させている。いまある玄関先の1畳分の世界をいくつもつくっていけばいいのだとわかって、これならできそうと、とても楽しみになった。

そのとき、その島のいくつかに植えられていたお花の種を採種させてもらった。ダリアの種はそのひとつ。3月、インターネットサイトで「ダリアは3月に種まき」とあったので、その通りに撒いてみた。ようやく、4月中旬になって、ぽつぽつと芽が出始めた。

ここ飛鳥の地の3月は明け方はまだ0度近くになることもあり、比較的、寒い場所だった。私はわかっていなくても、種はよくわかっていて、寒い間は殻のなかにとどまり暖かくなるのを待っていた。すべてのことには適切なタイミングがあるのだということを、また、教った。
4月下旬、小さな4つ葉になったところで、おそらくダリアだろうと認識したのだが、違っていた。蒔いた種は、どうやら発芽してくれなかったようだ。

6月頃、もう一種類の種を蒔いた。なんの種なのか、よくわからなかったものだが、1週間もしないうちに芽を出し、どんどんと成長して、ひまわりのような花を咲かせた。小さなひまわりみたいなお花。
6つの種を蒔いたのだが、面白いことに、太陽が南中する側に立っているお花を先頭に大きくなり、2本ずつ、背の順のような並びになった。

今年の夏はまだ終わっていないけれど、めちゃくちゃ暑く、日の出から南中し終わるくらいのところまで、ずっと太陽に晒される玄関先のハーブたちのなかには、ずいぶんと弱ってしまったハーブもあり、このままダメになってしまうのでは?と、少し心配もしていたのだが、ここ最近、太陽の光がさすがに弱ってきていて、気温もぐっと下がってきたのを機にメンテナンスをし始めている。

最適な環境というのは、植物によってそれぞれに違う。いっとき、弱っていても、なんとか生き延びて、また、元気になる。人間も同じだなと、妙に納得した乙女座のシーズン。


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