見出し画像

伝えたい思い

午前中、5月24日に生前葬を企画している社長さんと、プロモーション動画の件で打ち合わせをしていた。
僕のビジネスと直接の関係はないが、占いも生業なりわいの一つにされていて、お弟子さんが何人もおられるそうだ。

生まれてこの方、他人様ひとさまに自分の未来を占ってほしいと思ったことがない。当然、それにすがりたくなる人の真理にもうといわけだ。

以前に会った際に話を伺っていたが、「占い依存症」という病があり、なにをきめるにも依存する占い師の御託宣ごたくせんがないと、不安で仕方がないという人がいる。
悪質な占い師は意図的に相談者をそのような心理状態へと追い込み、いちいち料金を取っては、いいカモにしているという。

明らかに詐欺商法、霊感商法に通じるやりくちだが、別に神さま仏様を利用するわけでも、何らかの利得や効能をうたっているわけでもなく、信じる信じないは客の勝手だから、マインドコントロールであると立証しにくい。
なかなかに巧妙で、厄介なやり口である。

「占いとは言っても、本当はひたすら相手の話を聴くのが商売なんです。『話を聞きます』だけじゃウリとして弱いんで、占いと称しているだけのことです」
そうなんだ。

「誰にも話を聞いてもらえなくて病んでいる人が、世の中には結構いるんです。そういう人に対しては、どうぞ心の中にたまったゴミをこの場で吐き出してください、私が回収して然るべき処分をしますから。そういう気持ちで接しています」
「心にゴミをためすぎると、自分で何も判断が出来なくなって、動きも全く取れなくなります。顔から生気がなくなり、目も虚ろです。このまま放っておいたら、必ず良くない結果になりそうだ。その判断と千差万別な反応を示す相手に対処できるようになるには、相応の経験がいります。何かのサインを見落としたために不幸な結果を招いた苦い過去が、私にもあります。意外かも知れませんがこの商売をしていると、他人の生き死にに直結する場面に、何度も遭遇するんです」
結構、カウンセラーみたいな商売なのか。それにしても話を聞いた直後、相談者が最悪の決断などしちゃうと、別にそうした行動を示唆しさしたわけじゃなくてもトラウマになっちゃうよな。思ったことは思慮なく言葉にしちゃう僕なんかには、とても向かない商売だ。

「相談者は自分では決められず、他人の意見にすがりたくてやってきます。私もいろいろ話は聴きますし、多少のアドバイスはしますが、最後は自分で判断しなさいと申し上げています。誰かの意見で動いているうちは、結果が良ければ依存症への道をひらくことになるし、悪ければ私や誰かのせいにして自己正当化を図ってしまう。人生をどう生きるかを決めるのはあなた自身ですよ。それじゃ占いにならないのかもしれないけれど(笑)、話し聴きますの商売だったら、許されるでしょう?」

そういう流れからの「生前葬」なのか。
これまで言葉にしてこなかった感謝の気持ちや反省を自らの言葉で直接伝え、人生をより豊かなものにしていこうじゃないか。「生前葬」という場があって初めて実現する、何もなければ埋もれたままだった互いの思いを交感しあれば、この企画は成功というわけだ。

なかなか世間に広めるにはハードルの高い事業だが、社長の熱い気持ちに応えるべく、まずはいいプロモーション動画に仕上げたい。

イラスト hanami🛸|ω・)و

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?