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週刊:今日は一冊足りない本曜日 vol.1 辻村深月『闇祓』

 先週あげられたらなーとか言っていたのは余裕で間に合わず、また、『こころ』について語るには時間がかかりすぎるので、また違う記事にして出します。ごめんなさい。
 ですので、記念すべき本曜日最初の一冊は、辻村深月さんの『闇祓』を紹介します。
 私は辻村深月さんの小説が大好きなので、この『闇祓』は発売当初からずっと読みたいと思っていましたが、年中金欠の身でありますし、書店に赴くこともできていなかったのでした。大学のレポートのために訪れた市の図書館の新着図書の棚に『闇祓』が並んでいるのを目にしました。そして、約2年の念願がようやく果たせたのです。出版年を見て驚愕することになったのは余談です。2年ってホント?

 さて、この『闇祓』は、ホラーミステリーと出版社のKADOKAWAのHPでは紹介されています。帯にもありました。一気読みすれば怖くない、とも書いてあったので、時間帯は夜でしたが一気読みをすることにしました。私は、ホラーはなるべく晴れた日の昼間に読むと決めているのですが(重度の怖がりなので)ずっと読みたかった本だったので、恐怖心よりも好奇心が勝ちました。これが、ホラー映画なら好奇心で死んでる展開ですね。
 それは置いといて。この『闇祓』は、一見つながりがなさそうな短編のようなものが各章で書かれており、最後の章で終結する、といった形でした。最初の章からずいぶん怖かったです。ホラーの怖さというより、人間の怖さ、が色濃く一冊を通して存在していました。また、この人怪しいな、と感じるような登場人物もいたり、展開が気になるのと、読み切れば恐怖の正体がわかるだろう、と怖さから逃れるように読み進めていると、あっという間に読み切れました。読了にかかる時間として、想定していた時間よりも1時間程度早く読み切ってしまいました。
 なぜ、そんなことが起きるのかというと、読んでいる中で、登場人物たちの行動に少しづつ違和感を持つようになるのです。そして、その違和感を伏線として一気に話がまとまっていく爽快感があります。違和感の正体を追っている間に、読み終わってしまったわけです。
 そして、終わり方がまた……良い!!!このちょっと残る感じめちゃくちゃ良い!!!ちゃんとホラーのお約束である怪奇の元凶と戦った後なのにこのモヤモヤ感……。でも、納得出来るというね。この感覚を是非味わって欲しい。イヤミスとも違う、怖さが残ります。怖さから逃げるように最後まで読んだんですけどね〜。こればっかりは逃げられない怖さですよ。この人間社会で生きてる限り、ね。
 読んだら書いてあることわかると思うので、是非読んでみてください〜!!化け物が出てくるホラーとか苦手だよ〜、って人でも最後まで読めば大丈夫です!化け物の怖さとは別の怖さが残るので!

 夏休みにそろそろ入る頃ですので、おすすめの本とかあったら教えてください〜!
発足したてで恐縮ですが、次週は忙しいのでお休みです。

 それでは、また次の記事でお会いしましょう。

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