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父へ(加筆Ver.)

 誰しも、自分を世に誕生させてくれた両親へ、感謝しないものはいないだろう。 

 自分が今、生きている意味を考るとき。

 幼い頃から「人の役に立つ人間になりなさい」と、言われていた気がする。
 


 亡き父の夢を見た。

 それは、自宅から少し離れた河原の土手を、父と二人で歩いていた。

 「お父さん、今ではこの辺りもすっかり変わってしまったよ」

 「昔は、この辺一帯、桑畑だったのにね」

 「今では、こんなに住宅が建っている」

 父は、写真のように、ただ笑っているだけだった。

 西の空には、三日月が出ていた。



 父は、私に何を伝えたかったのだろう。

 まだ私には、やり残した事があるのでは。

 そう言われているような気がした。

著 者  宮澤重夫

 平成30年に陸上自衛隊化学学校
化学教導隊副隊長を最後に自衛隊を退官 
 現役時代に体験した、地下鉄サリン事件や福島第1原発事故対処等の経験談を執筆中

主な資格等
防 災 士
第2種放射線取扱主任者
JKC愛犬検定最上級

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