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真夜中の足音…

   こんばんわ。柴2猫3ときどき幽霊です。
 
 この話は小学生の時の母の実家での私自身での実体験。
小さい頃からなんとなく視る事や感じる事ができる私は怖いという感情はなく、ただそこにいるものとして視てきました。ただこの時の体験は幽霊に対して初めて怒りを覚えた体験だとも思います。
 
 我が家の犬は私と同じものを視ることが多くとても感じやすい白い雑種の犬でした。とても賢く人に怒ることや噛むこともないので、旅行やおばあちゃんの家には一緒にいくほど我が家の人気者でした。
おばあちゃんの家のお泊りに一週間。当然飼い犬も連れて行くことになりウキウキ気分で泊まりました。
おばあちゃんの家の裏手の扉を開ければすぐに続き部屋があり、そこで裏から来たお客さんが座れるようになっていました。我が家の犬も裏手の玄関に入れてもらい、私達はその横の部屋で布団を引きいつも寝ていました。

にぎやかな夜も終わり、さて寝ようと布団を敷き私達家族は夢の中へ。夜中にトントンと足音がして私は目が覚めた。真っ暗な廊下に自動センサーで明かりがつきすりガラスの扉に人が映った。「トイレに行くのに二階から降りてきたんだな…」トイレの方向に行く人影を見てトイレから帰ってくるのを確認した後、自動センサーがフッと消え私はまた夢の中へ。
突然自分でもビックリするほどにパッと目が覚めてしまった私は真っ暗な部屋の中を目で見回した。
…動けない…いつものだ…耳鳴りも始まった…誰かがいる…。
耳を澄ましてみる…家族の寝息が聞こえる。部屋の中にはいない…
っと思った瞬間にすりガラスがパッと明るくなった。誰かがトイレに行くのに降りてきたんだ…助かった…そう思って廊下を見ても誰も廊下を通ら気配がない。明かりがついた…なら人が通るはず。絶対にこのすりガラスの前を通るのにすりガラスには誰もうつらない…。金縛りもとれず目だけをキョロキョロ動かし気配を感じようと集中した時に突然裏手の玄関で寝ていた犬がうなり出した。低い声で「グルルル」と威嚇しだした途端、音が聞こえる。何かを引きずってる…違う…足を引きづってる?…近づいてる…。
廊下は一定の感覚をあけ点灯し、消えるを何回も繰り返し、飼犬は唸り続ける…ズルッ…ズルッ…ズルッ…ズルッ…という音が響く。足音は犬の方向へ行く感じがとれた。
明るくなった廊下には人影は見えない。目だけは廊下を凝視したまま動かない身体をなんとか動かそうと私は頑張った。とにかく犬のそばに駆け寄りたい。きっと怖いはず…きっと不安なはず…小学生の私はとにかく犬のそばに行こうと必死だった。「その犬になにかしたら、絶対許さない。一生恨むからっ!」心の中で叫びながら解く事に集中していると飼犬の唸り声が止まり、引きずっていた音が止み、耳鳴りが収まり、私は気絶するように夢の中へ。

次の日の朝、すぐに飼犬の確認をして元気に尻尾を振っている姿を見てホッとすると、布団を押入れになおしているお母さんに聞いてみようと思った。
「お母さん…背が低い女の人って知ってる?」
夜に感じた姿をお母さんに聞いてみる。
「背が低い女の人?なんで?」
「足も引きずってるんだけど」
「あ〜ひいばあちゃんやわ。あの人背がとっても低くてね。死ぬ前は足を悪くしてね…痛い痛いって引きずって歩いてたわ〜。ひいばあちゃんこの家で死んだんよ。」
なら…おばあちゃんはまだ足を引きずっている…何かを言いたかったんだろうか?

今はもう、おばあちゃんもおじいちゃんも住んでいない。
あの家にはいまだ足を引きずって徘徊しているのだろうか?

視ることしかできない自分になぜ出てくるのか…
何か意味があるのなら聞いてみたい気がします。


 




 


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