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「君が手にするはずだった黄金について」

                             著書・小川哲さん

◎日常から哲学を考える

コスパ、タイパを意識しすぎて深掘りするのを忘れがち
長編の物語が読めなくなって「TikTokやインスタのリール動画を永遠にスクロールしている人」こそ読むべき本。
読んでいくうちに一体自分はどういう人間なのかがわからなくなってくるから
怖い怖い。


◎今日を10年後も覚えていられるか


例えば東日本大震災があった3月11日。
この日自分が何をしていたかをある程度覚えている人は多いはず
「じゃあ、その前日3月10日は?」と聞かれるとたかが1日の違いなのに
記憶を掘り起こすことが難しくなる。

10年後に「10年前の今日何してた?」と聞かれて「あの日はね〜」と答えられる1日を今日過ごせたか、、、

「こうすれば仕事が早く終わる」「嫌いな人とは関わらない」
そうやって無駄だと決めつけて切り落としていった「物」
実はその「物」たちが平凡な毎日の塩コショウだとしたら。
10年後の記憶を消しているのは自分自身ということになるからちょっと寂しい。


◎誰だって黄金が欲しい

作品の中にポンジスキームをしてひたすら金集めをする人物が出てくる

(ポンジスキーム、、、「みんな〜僕が投資で毎月10万増やしてあげるから僕にお金預けてよ〜」1000万集まる。実際は投資せずに集まったお金の中から10万払う。これをひたすら繰り返して一番資金が集まった時に逃げる🏃‍♀️💨詐欺のこと)
※意外と身近にある

この人の最後はあまりよろしくない。
実際ポンジスキームを考案した。なんちゃらポンジさんもあまり良い最後を遂げなかったらしい。(知らんけど)

要するに「黄金を掴むのに近道は無い。」、、、と言う単純な話では無くて詐欺師に共感してしまう自分もいたり。
これは読んでからのお楽しみ。


◎自分がされて嬉しいことは他人も嬉しいのか

幼稚園の時「自分がされて嫌なことは人にしてはいけません」と言われたのは自分だけじゃないはず。
なら、「自分がされて嬉しいことは他人も嬉しいのか」となるとこれは対極では無いらしい。

「私は嬉しいから」と言ういきすぎた優しさは暴力にもなりかねない、、、
流行りの○○ハラスメントも「あなたのために」と言う思い込みから来ていることもあるかも。

ハラスメントに関しては、ドラマ「不適切にもほどがある」を見てほしい。
(Netflixで見れます)


◎自分とは何者か?

「じゃあ、自己紹介をしてください。」そう言われて先ず何を思い浮かべるか
名前、出身、年齢、仕事、、、、全て自分を作っているものなのは間違い
でも、それらは肩書きで自分が本当に何者なのかと言うのを説明するのはとても難しい。

ある意味、自己紹介は言葉でするものじゃなくて
作品や行動に現れてくるものなのかも。

「自分はどんな自己紹介ができるのか」を考える=「自分の生き方」を考える
そう思うとまだまだ生き方が変わってきそうな気がする。


読んだだけで頭が良くなった気分にしてくれる本でした。



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