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行ってきました!大シーボルト展!!

こんにちは、【Cho査隊】NKスターズ新メンバーの経済学部1年、KIRI(鹿児島県出身)です! 早速ですが、長崎に来てからよく耳にする”シーボルト”の名前。歴史で習いましたが、具体的に何をした人なのかあまり知りませんでした。聞けば今年はシーボルト来日200年とのこと。これを機にシーボルトについて、また長崎の歴史について学ぼう!ということで、行ってきました、長崎歴史文化博物館の大シーボルト展(11/12(日)まで)!!!  大学生の皆さん、「シーボルトってどんな人?」っと、以前の私と同じことを思っている皆さん、ぜひご覧ください! 
※大シーボルト展は長崎大学生は観覧無料です。詳細はこちらから


1.そもそも、シーボルトってどんな人??

シーボルトについて簡単にご紹介します。

シーボルト肖像画

ドイツの医師で博物学者のシーボルトは1823年に初来日。長崎・出島のオランダ商館に医師として勤務します。翌年には鳴滝塾(※)を創設し、日本各地から集まった入門者に近代西洋医学や自然科学を教えました。多くの医師や学者を育て、信頼が厚かったシーボルトですが、1828年に帰国する際に事件は起こります。国禁である日本地図を国外に持ち出そうとしていることが見つかり国外追放を受けたのです。シーボルト事件に関しては「4.シーボルト事件の真実」で詳しく触れます!

(※)長崎市鳴滝にある鳴滝塾跡は、現在シーボルト宅跡として国の史跡に指定されています。詳細はこちら

2.大シーボルト展でしか見れないモノ&情報

「シーボルトが出していた処方箋情報」
「シーボルトには、娘・おイネさんがいた」
と聞いたら気になっちゃいませんか? もちろん大シーボルト展で紹介しています。

例えば、処方箋。鼻の中に何かできものができて6,7年苦しんでいる人に、シーボルトが西洋医学の薬を処方した記録が残されています。薬を入れていた瓶や、使用していた医療器具も見学できます。シーボルトのもたらした医療がとても高度だったことが分かります。

また、シーボルトの娘、おイネさんは日本で初めての女性産科医師として知られています。彼女が使用していた道具も展示されていました。

さらに、私が釘付けになった展示品は、シーボルトが実際に着ていた礼服です。膝くらいまであるロング丈で、重厚な紺色の生地に肩には肩章がついており、貫禄がありました。200 年前の礼服ですが、当時の雰囲気そのままに保存されています。ぜひ、実物を見てくださいね。

それ以外にも大シーボルト展は資料や展示品が盛沢山でした!

3.日本が大好き!! シーボルト

オランダ商館に医師として勤務していたシーボルトですが、医学以外にも大きな功績を残しています。それは、学者としての功績です。日本の文化や植物、動物に関心を持ったシーボルトは『日本植物誌』や『日本動物誌』と日本に関する本を著述しています。最も代表的なのが『NIPPON』。その中には長崎の秋の大祭、長崎くんちの様子も詳しく記録されていて、この会場で実物を見ることができます。

また、『日本植物誌』での注目は、学名をHydrangea otaksaと紹介されているアジサイです。otaksaとは日本で愛した人・お滝さん(おイネさんの母)の名前に由来するそうです。シーボルトはとってもロマンチストだったのだと思いました。

シーボルトが見たと考えられる龍踊

4.シーボルト事件の真実

さて、冒頭でも少しお話したシーボルト事件(国禁の日本地図を持ち出そうとしたことが発覚した事件)についての続きです。シーボルトが出航するときに台風に見舞われ(シーボルト台風と呼ばれています)、船は座礁、さらに足止めを強いられていたところ積荷の内容物が発覚。これにより、シーボルトは国外追放に……、ということは私も歴史で学んで知っていました。

崎陽湊之景

しかし、大シーボルト展のギャラリートークに参加して、シーボルト事件には別の見方があることを知りました。台風で足止めされたのは事実ですが、積荷から日本地図が見つかったわけではないということ、また幕府はもっと前からシーボルトへ疑いの目を向けていたという説です。特に後者に関しては、シーボルトが日本地図を持つキッカケとなった人物・高橋景保が残した手紙などから読み解くことができるのだそうです。日本各地に外国船が出没して戦々恐々としていた時代、幕府は出島のオランダ人の動きにも目を光らせていたのだということも知りました。

謎の多きシーボルト事件。その真相について触れる同展ギャラリートークは今後も11月3日、4日、5日、11日に行われます。

長崎歴史文化博物館のギャラリートークのチラシより

5.最後に・・・

私の中でシーボルトは”シーボルト事件”を起こした良くない印象しかなかったのですが、日本に近代西洋医学を伝えた人だったこと、日本の文化や風土を愛したロマンチストだったことを知ることができました。著作で見られる細やかな観察などからも日本への愛着が見えますが、国外追放がとかれた30年後に再来日したことからも、日本への深い想いが伝わってくると感じました。また、シーボルトが使った道具を目の前で見たことで、歴史上の人物をより身近に感じることができました。長崎歴史文化博物館の大シーボルト展、面白かったです!

ぜひ、長崎歴史文化博物館の大シーボルト展に足を運んでみてください。
長崎歴史文化博物館にはキャンパスメンバーズのサービスがあり、長崎大学生は同館の常設展示や一部の企画展(同館主催の企画展)を無料で観覧できます!
長崎歴史文化博物館のWebサイトはこちらから

そしてそしてそして! 長崎大学経済学部図書館の長崎学資料展示室でも「シーボルトゆかりの人物展」を開催しています。11月12日まで。入場料無料。
長崎大学附属図書館経済学部分館のWebサイトはこちらから

記事:kiri
取材日:2023.10.21



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